2012 Fiscal Year Annual Research Report
集団感染予防のための環境を汚染しない陰部洗浄とおむつ交換技術の開発
Project/Area Number |
24390484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
土田 敏恵 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (10461170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 千佐子 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (10148273)
山川 みやえ 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80403012)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 看護学 / 感染症 / 集団感染予防 / 陰部洗浄 / おむつ交換 |
Research Abstract |
介護施設と医療施設で一般的に実施されている陰部洗浄とおむつ交換の方法を明らかにすることを目的とした。まず15名の介護職員ならびに看護師を対象に、陰部洗浄とおむつ交換に関して実際に行っている方法と注意点、汚染防止のための方法などについて半構成的面接調査を行った。内容分析の結果を反映させた調査用紙を作成し対象者にプレテストを実施した後、全国の介護職員2000名一般病床群施設と療養型病床群施設勤務の看護師各2000名計6000名を対象に構成的質問紙調査を実施した。 有効回答は1903件(31.7%)であった。回答者の7割が、入院(所)している患者(利用者)の5割以上がおむつを使用していると回答した。陰部洗浄/おむつ交換ともに患者1人1回あたり1~2人で実施していた。一般病床と療養病床の8割が2人で実施しているのに対して、介護施設は8割が1人で実施していた。所要時間は、1人1回あたり10分未満であった。おしりふきやディスポ手袋、ビニール袋、エプロン等の使用物品は施設の種類にかかわらずほぼ同じであったが、使用枚数が病院に比べて介護施設では少なかった。そのため、手袋やエプロンを交換するタイミングが病院と介護施設では異なっていた。陰部洗浄の方法は、まず仰臥位で女性は尿道口→膣を、男性は亀頭部→陰茎→陰嚢→陰嚢の裏を洗浄し、次に側臥位で肛門を洗浄する方法が最も多かった。洗浄時は、女性は陰唇をしっかり開くこと、男性は陰嚢のしわを伸ばし包皮を下げることが共通した工夫点であった。洗浄には100-300mlの温湯と液体または泡状の石鹸が使用されていることが多かった。便を確実に取り除く工夫として、陰毛を丁寧に洗浄していた。実施者は、自身が汚染しないように注意するとともに周囲環境が汚染されないように物品の配置や廃棄物の処理方法を工夫していた。おむつ交換や陰部洗浄の技術は、先輩職員からの指導や院内研修会などで習得した人が多かった。日本初の全国調査を通して、個人レベルで伝承されていた詳細な技術が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3つの目的を1年ごとに達成するものである。1つ目の目的は、介護施設と医療施設で一般的に実施されているおむつ交換と陰部洗浄の方法を質問紙調査で明らかにすることであり、1年目である平成24年度に達成できたため、順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、本研究で明らかになった陰部洗浄とおむつ交換の標準的な方法で実施することによる環境汚染の範囲と程度を測定する。兵庫医療大学内人工気象室で実験を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用分の2,020円については、平成25年度の研究において交通費として使用する予定である。
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