2013 Fiscal Year Annual Research Report
集団感染予防のための環境を汚染しない陰部洗浄とおむつ交換技術の開発
Project/Area Number |
24390484
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
土田 敏恵 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (10461170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 千佐子 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (10148273)
山川 みやえ 大阪大学, 医学研究科, 准教授 (80403012)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 看護学 / おむつ交換 / 陰部洗浄 / 環境汚染 |
Research Abstract |
平成24年度の全国調査で抽出した一般的に我が国で実施されているおむつ交換と陰部洗浄の方法による環境汚染の範囲と程度を明らかにすることと、環境汚染が少なくかつ会陰部の汚染を確実に除去できるおむつ交換と陰部洗浄方法を構築することを目的とした。 方法は温湿度を一定に調整した環境下で、蛍光クリーム入り擬似便(泥状便・普通便・硬便)を付着しおむつを装着したモデル人形(男性陰部付き成人型モデル)に対し、介護職員5名・看護師10名が作成したプロトコール1案2案に準じて陰部洗浄とおむつ交換を実施した。(1案:全国調査で導き出された一般的な方法、2案:環境汚染が少なくかつ会陰部の汚染除去が確実に行える方法) 評価項目は、環境汚染に関してはシーツ・ベッド柵・ワゴン・モデル人形の陰部以外のボディ、物品に関しては洗浄ボトル・手指消毒容器・洗浄料容器・ゴミ袋、実施者に関してはマスク・ガウン・手袋、モデル人形の陰部に残留した蛍光塗料とした。 結果、おむつ交換・陰部洗浄とも泥状便における環境・物品・実施者・会陰部の汚染が著明であった。手袋は右手の第1指~第5指まで全体的に汚染されていた。左右の手をそれぞれ清潔と不潔に分けて実施することにより、左手手袋の汚染が有意に軽減した。おむつ交換では、1案に比べて2案ではおしりふきの枚数は少なくかつ便の拭き取り効果が高かった。また、右手手袋の汚染は軽減し会陰部の蛍光塗料の残留も少なかった。陰部洗浄では、1案において、洗浄ボトルの汚染は有意に多く、実施者のガウンの汚染も認めた。お湯で洗浄を行うと洗浄料で清拭するよりも環境汚染を多く認めた。まとめとして、泥状便における環境・実施者・対象の汚染が著明であった。手袋の汚染は著明であり実施中に交換が必要であった。おむつ交換では一般的な方法よりも開発案が有効であった。陰部洗浄ではお湯で洗浄することで周囲の環境が汚染されやすかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に準じたスケジュールで研究を実施した。また被験者の確保と実験の実施についても研究計画の変更を必要としなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究結果に基づき、環境汚染が少なく陰部を清浄化できるおむつ交換方法と陰部洗浄方法のプロトコールを作成し、医療施設及び介護施設で実証研究を行う予定である。考案したプロトコールが、対象施設で実施されている方法と異なることが予想され、研究実施までに各施設での協力が得られるかどうかは課題である。考案したプロトコールの環境汚染防止と陰部清浄化の効果について、実演と研究データを提示し理解を得られるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に前倒し請求をしたが、経費の節約ができたため次年度使用額が生じた。 次年度の研究に必要な各種物品の購入や研究成果発表費用等に使用する予定である。
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