2013 Fiscal Year Annual Research Report
感性・イメージ表現療法システムの開発と緩和ケアへの応用
Project/Area Number |
24390493
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Research Institution | Nara Sangyo University |
Principal Investigator |
吉岡 隆之 奈良学園大学, 地域公共学総合研究所, 教授 (90285354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 志津枝 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00149709)
江川 幸二 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (90276808)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん看護 / 緩和ケア / ホリスティックナーシング / イメージ療法 / 感性表現 / 代替療法 / 癒し / 芸術 |
Research Abstract |
本研究は、医療や福祉の臨床で有用性が認められている芸術交流活動である「フィーリングアーツ」の活動を、ホリスティックナーシングの観点から、看護技術の手法として緩和ケアに広く応用するための「感性・イメージ表現療法(以下、感性表現療法)」を確立し、がん患者・家族の苦痛の軽減、療養生活の質の向上に寄与することを目的とする3ヵ年計画の研究である。研究2年目にあたる平成25年度の成果は次のとおりである。 1.平成24年度に開発した「感性表現療法」システムを実際に緩和ケア施設1カ所で試用し、複数のスタッフ等から意見聴取を行い、それらの意見をもとに画像処理の改良及び作品データのアーカイブ化など、システムの調整・改良を行った。また、海外視察調査、海外意見聴取をする際に使用する英語バージョンのシステムの制作を行った。これらによりその実用性が高まった。 2.緩和ケア、ホリスティックナーシング、統合医療に関して先進的な取り組みを行っている米国アリゾナ大学の医療関連施設など(看護学部、がんセンター、加齢センター、ホスピス)を訪問し、「感性表現療法」の実演を含む講演を行い、専門家やスタッフ等から意見聴取を行った。また各施設の視察行い、先進的な取り組みなどについての質疑や意見交換を行った。これらにより「感性表現療法」を緩和ケアはもちろんのこと、ホリスティックナーシングや統合医療に広く応用するための貴重な資料を得ることができた。 3.本研究に関連する、緩和ケア、ホリスティックナーシング、補完代替医療、統合医療等の資料・文献の検討を行った。また、実際に国内の緩和ケア施設を訪問し、「感性表現療法」の科学的検証の具体的な実施方法等について、スタッフから意見聴取を行い、詳細な検討を行った。これらにより本研究を今後遂行する上で有用な成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の職位の変更(非常勤講師から常勤の教授)とそれに伴う業務多忙(教育・研究・地域貢献に加え、新学部設置申請・開設準備に従事)により、当初の研究計画の遂行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究計画のうち緩和ケアの臨床における「感性・イメージ表現療法」の科学的検証を行うことができなかったため、平成26年度においては、まずその科学的検証を行い研究の遅れを取り戻す。その上で、当初の研究計画どおり研究を遂行し、最終的に看護技術の手法として緩和ケアに応用することが可能な「感性・イメージ表現療法」の確立をめざす。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
直接経費次年度使用額が416,433円(平成25年度直接経費の約16.3%)となっているが、これは主に緩和ケアの臨床における「感性表現療法」の科学的検証ができなかったことにより、平成25年度の使用実績において当初の計画より人件費、旅費、物品費、その他の経費が少なくなったためである。 平成26年度においては、当初の計画に先駆けて平成25年度に行うことができなかった科学的検証を行い、それに伴う人件費、旅費、物品費、その他の経費として平成25年度の未使用分(直接経費次年度使用額416,433円)を使用する。その後、平成26年度の当初の予定どおり研究費を使用する。
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