2012 Fiscal Year Annual Research Report
アイトラッカー技術活用による重度障害児のコミュニケーション力育成プログラム開発
Project/Area Number |
24390497
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 眞知子 京都大学, 医学研究科, 教授 (80179259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 寿宏 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80214386)
細馬 宏通 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (90275181)
清川 加奈子 京都大学, 医学研究科, 助教 (70432317)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アイトラッカー / 視線入力 / コミュニケーション / 重度障害児 / 育成プログラム |
Research Abstract |
1.子どものコミュニケーション状況についての実態調査を行うための調査票の作成 ・文献や先行研究を参考にしながら重度障害児のコミュニケーション状況を把握するための実態調査票を作成した。 ・作成した調査票を用いて、全国の人工呼吸管理を必要とする18歳未満の重度障がい児の親を対象に、2012年8~9月までの期間に実態調査を実施した。その結果、117名から回答が得られた。 結果から、(1)対象としたSMA-1型児とその他の疾患では、コミュニケーション力の基盤となる 様々な要素の実態に若干の差異を認めた、(2)専門家の支援によって、子どものコミュニケーション力に関心を向け、わずかに残された機能を活用し、その子なりのコミュニケーション力がはぐくまれるよう互いの専門性を融合した実践、研究開発に取り組む必要がある、(3)今後は、モデルケースを通じたコミュニケーション力育成支援の展開の中で、情報を蓄積していくことが必要であるなどが示唆された。それらより、親は「そんなレベルではない」と子どもへの対応を諦めてしまうことがないよう、今後の対応策として、(1)標準化されたコミュニケーション力の検査法の開発(2)発達評価の指標開発、(3)装置活用のプロトコールと指導法の開発、(4)積極的な情報提供等を行うためのシステムづくり等について、今後の研究開発が望まれるといえた。 2.アイトラッキングの技術を用いたコミュニケーション支援の希望者を募る準備 ・SMA-1型児計5名(就学前1名、小1の2名、小2の1名、中3の1名)に2週間~5か月 間視線入力装置を試用し、装置のプロトコール(案)を作成した。装置試用により得たデータを 特定補装具認定判定のための補完的説明として患児に還元し、小児における日本発視線入力装置の認定を受けた。また、沖縄県宜野湾市沖縄コンベンションセンター「子ども療育フォーラム」で上記成果を含め講演し、琉球新報(2013.2.18)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施期間前から調査票の作成に着手していたため、予定よりも早く調査票を完成させ、実態調査を実施し、結果をまとめ、学術誌に投稿することとなった(現在、「小児保健研究」に投稿中)。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に作成した視線入力装置試用プロトコールと対象者とを照合しながら、幼い子どもへの視線入力装置の有効性を検討する。次に、視線入力を活用した重度障がい児の日本語版理解度試作評価指標の設計については、分担研究者らが開発した発達障がい児用の理解度評価指標を基にし、修正版視線入力装置による重度身体障がい児理解度評価指標(案)を作成する予定である。
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