2013 Fiscal Year Annual Research Report
世俗化する欧州社会における看取りの思想的な拠り所の究明
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24401017
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
竹之内 裕文 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90374876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜渦 辰二 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70218527)
浅見 洋 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (00132598)
諸岡 了介 島根大学, 教育学部, 准教授 (90466516)
伊達 聖伸 上智大学, 外国語学部, 准教授 (90550004)
坂井 さゆり 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40436770)
福島 智子 松本大学, 人間健康学部, 准教授 (60435287)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ホスピス・緩和ケア / 医療化 / 世俗化 / 宗教的ケア / スピリチュアルケア / good death |
Research Abstract |
平成25年度は、定期的な研究会(年3回)での徹底した討論を続行しつつ、本格的な現地調査を実施した(研究分担者の浜渦辰二、諸岡良介、伊達聖伸、坂井さゆり、福島智子が渡航)。これら研究者の調査先機関は、欧州の研究協力者からの情報提供に基づき、それぞれの担当国を中心に選定された(北欧諸国、ドイツ、英国、フランス、イタリアなど)。 調査渡航に先だって、海外調査の共通テーマと共通質問事項を入念な協議のうえ定めた。また渡航に際しては、欧州の研究協力者(Glasgow大学・David Clark教授)との連携のもと現地で研究会を開催し、欧州における「看取り」の動向について、渡航メンバーと欧州の専門家との間で意見交換する機会を設けた。さらに渡航者には、帰国後、定期的な研究会で調査概要について報告してもらった。 3回の定期的研究会(東京、長野、東京)には、4名の連携研究者(山本佳世子、田代志門、斉藤美恵、伊藤高章)も参加した。また、そのうち1回の研究会は、欧州の研究者(フランス国立科学研究所・高等研究院 Jean Bauberot教授)を招聘した。さらに、欧州の研究協力者や関係機関・団体との密なコンタクトを通して、最新の情報を入手し、研究会で共有した。 物品費は、主として、研究遂行のために必要となる関係書籍の購入に充てられた。旅費は、5名の研究分担者の海外渡航費用、欧州からの研究協力者の渡航費用とともに、定期的研究会開催のため、研究代表者、研究分担者、連携研究者、研究協力者の旅費に充てられた。人件費・謝金は、本研究に参画する国内外の研究者との研究打ち合わせ・事務連絡と資料整理等のための人件費として支出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
欧州の研究協力者(なかでもGlasgow大学・David Clark教授)との綿密な連携と定期的な研究会(年3回)での徹底した討論とを通して、欧州圏におけるホスピス・緩和ケアの展開と最新情報について十分な知見が得られた。それによって欧州諸国における看取りの思想的(哲学的・宗教的)な拠り所にアプローチする足場が固められたといってよい。
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Strategy for Future Research Activity |
欧州圏におけるホスピス・緩和ケアの展開と最新情報に関する知見に基づいて、最終年度は、欧州諸国における看取りの思想的(哲学的・宗教的)な拠り所に迫り、それを足がかりに、「世俗化」と「医療化」の時代における終末期ケアのあり方について展望と指針を獲得したい。また、これまでの研究成果を積極的に発信すべく、研究メンバー(研究代表者、研究分担者、連携研究者、研究協力者)でシンポジウム・セッションに登壇する準備を進めている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として欧州の研究協力者の都合により、研究分担者の諸岡了介が調査渡航の時期を遅らせたため、海外渡航費(約50万円)の執行が年度を繰り越すことになった。また物品費の一部(約7万円)が参考文献の購入の必要に応じて、繰り越されることになった。 研究分担者の諸岡了介の海外渡航費(約50万円)は、今夏の渡航に際して執行される予定である。また物品費の一部(約7万円)は、研究成果をまとめるという目的のもと、研究代表者の竹之内裕文によって、平成26年度の早い時期に執行される予定である。
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Research Products
(35 results)