2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24401029
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
八尾 隆生 広島大学, 文学研究科, 教授 (50212270)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ベトナム / タインホア / 家譜 / 墓誌 / 神道碑 / 神勅 / 藍山(ラムソン) / ブイ・スアン・ヴィ |
Research Abstract |
本年度は冬に本調査を行った。研究協力者5名(うち二人はヴェトナム人で一名はハノイ国家大学ヴェトナム学院所属)を帯同して3週間タインホアにて調査を行った。同学院で今年度の調査地確認を行った後、タインホア市に移動し、文化局研究員から現地の現状につきレクチャーを受けたのち、省科学図書館において故ブイ・スアン・ヴィ氏の遺した史料調査の調査を行い、5日間にわたって昨年度に引き続いて原文書の内容調査、電子化作業、目録作成作業を行った。同図書館における作業は来年度で終了の見通しである。 その後、現地調査を開始した。調査対象はタインホア市に隣接するドンソン県、ノンコン県、チェウソン県内の各村落で、調査内容は昨年度同様、黎朝開国功臣関連の史跡を訪れ、そこに残されている家譜・神勅、碑文(墓誌)等の史資料収集を行い、同時に該史料の由来や族の移動、支派の存在等の情報を得るためのヒアリングなどである。 10日間に及ぶ調査の結果、15世紀の新出碑文1基、16世紀のもの1基を確認し、文面収集したほか、30部以上の家譜・神勅史料の収集に成功した。ただ、黎朝の本拠地からは少々離れているため、昨年度ほどの新出史料は得られなかった。帰国後、得られた史資料、フィールドノート、図書館目録の整理を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タインホア省図書館での作業に対して、昨年度同様、日曜も開館してくれるなど、同館の熱心な協力が得られたため、同館での作業は5年予定のところ、3年で済む見通しである。現地調査の方も冬調査のため、終日調査が可能であり、今年度も2日はやく調査を終え、ハノイでの資料整理に充てることができた。 ただ(1)としなかったのは、タインホア省図書館が現在前面建て替え中のため、ひょっとしたら仮書庫のすみからさらに史料の山が見つかる可能性があり、そうなれば3年で作業がすむどころではないからである。
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Strategy for Future Research Activity |
推進方針に特に変更はない。ただ昨年度・今年度の研究協力者であったベトナム人研究者フイン・トロン・ヒエン氏が学位を取ってホーチミン市国家大学に戻られたため、来年度の調査参加は図書館作業だけになる。図書館資料は最も撮影の困難な拓本史料の撮影につき事前に十分訓練を重ねておく。 実地調査では、ハノイ大の方からヒアリングなどで力を発揮してくれる若手の研究者を増員する予定である。研究対象地は藍山(ラムソン)を流れるチュ河とは別水系で、黎朝を樹立した黎利集団に遅れて参加した者の故郷が多いマ河水系のティエウホア、ヴィンロク、イエンディン3県の各史跡とする。研究協力者は人は入れ替わるが図書館作業が3人、実地調査は4人を予定している。
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Research Products
(4 results)