2013 Fiscal Year Annual Research Report
中国東北における地域構造の変化に関する地理学的調査研究
Project/Area Number |
24401035
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小島 泰雄 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (80234764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 元秀 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00027559)
小野寺 淳 横浜市立大学, その他の研究科, 教授 (50292206)
松村 嘉久 阪南大学, その他部局等, 教授 (80351675)
高橋 健太郎 駒澤大学, 文学部, 教授 (30339618)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人文地理学 / 中国 / 国際研究者交流 / 中国研究 |
Research Abstract |
中国東北で進行している構造変化を、地域スケールの重層性に着目した地理学的な調査に基づいて、実態的に解明することを、本調査研究はめざしている。本年度は、吉林省松原市をフィールドとして、8月15日から28日までの2週間にわたるフィールド調査を行った。参加者は研究代表者の小島、研究分担者の秋山・小野寺・松村・高橋の5名に加えて、連携研究者1名(キム)、研究協力者2名(柴田・石田)の総勢8名であり、カウンターパートは張柏教授を代表とする中国科学院東北地理与農業生態研究所と東北師範大学等の研究者である。フィールド調査は、6つのグループに分かれて、日中共同で行われた。農村班は松原近郊における農村・農業の変遷についての調査を行い、水稲生産の歴史的変遷の様態を明らかにした。都市班は双子都市である松原の景観観察を行い、都市構造の変化と都市公園の利用状況を明らかにした。経済班は松原の経済的基盤となっている石油企業をめぐって調査を行い、その生産と生活について明らかにした。民族班はモスクとムスリムを採訪し、松原におけるイスラームの状況について明らかにした。観光班はモンゴル族関係の観光地について調査を行い、民族観光の開発過程を明らかにした。教育班は市街地の小学校を訪問し、その分布論的特徴を明らかにした。各研究者はフィールド調査によって収集した資料をもとに、12月に京都大学で開催された国際ワークショップにおいてディスカッションを行い、個別に論考を公刊している。また小野寺と柴田は3月に国士舘大学(世田谷区)で開催された日本地理学会春季学術大会において、研究成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中国松原におけるフィールド調査を予定通り実施できたことは、日中関係が複雑化する中で、本調査研究の進行が順調であることを端的に示している。また研究成果の公開についても、昨年度の調査研究の報告書を公刊するとともに、ネットで公開している。個別の研究成果も学会発表をはじめとして順調に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
松原調査の報告書を刊行・公開するとともに、夏季には吉林延吉でフィールド調査を行う予定である。さらに九月の日本地理学会秋季学術大会で、中国東北に関するシンポジウムを主催して、本調査研究の一次的な総括を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
中国吉林省松原市で本年度夏季に行ったフィールド調査に、連携研究者である柳井雅也と阿部康久が本務校校務等のために参加できなかったことにより、直接経費の使用額が予定より少なくなったため。 次年度は本調査研究の最終年度にあたり、フィールド調査の期間と参加者がやや多くなることから、主に旅費に充当することとなる。
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Research Products
(12 results)