2014 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化するアフリカにおける<老いの力>の生成と変容―宗教儀礼領域からの接近
Project/Area Number |
24401041
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
田川 玄 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (70364106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
慶田 勝彦 熊本大学, 文学部, 教授 (10195620)
椎野 若菜 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)
浜本 満 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (40156419)
花渕 馨也 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50323910)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | <老いの力> / アフリカ / 老人 / グローバル化 / 社会変化 / 宗教儀礼領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究成果の中間報告の場として、第23回日本ナイル・エチオピア学会学術大会において公開シンポジウム「アフリカから<老いの力>を学ぶ―老年文化の多様性」を開催し、科研研究メンバーの慶田、花渕、椎野、田川に長崎大学の増田研氏を加えて発表・討論を行った。 田川は2014年8月と9月、2015年3月にエチオピア連邦共和国オロミア州南部ボラナゾーンにおいて、村落部の人口構造や女性の老いについての調査を行った。花渕は8月1日から29日までコモロ諸島・ンガジジャ島の村落において年齢階梯制についての現地調査を行った。フランス在住のコモロ人移民を含む4組の結婚式の過程を記録するとともに、年齢階梯における年齢分布と階梯上昇の方法について聞き取りを行った。椎野は、ケニア・ルオ社会における老人の地位や役割を概観し、そのなかでも特異な事例である一夫多妻者・アククの人生とその意味について分析・発表を行った。また、老女の代表的な地位、ニャンムレルワという産婆についても分析、発表した。研究協力者イアン・カルシガリラ(東京外国語大学大学院)は、ウガンダの首都カンパラと、西部ノルコンジリ村落、ンバララ町で、かつての老人の社会的宗教的役割や「老人」のイメージを利用したビジネス展開についての聞き取り調査を行った。慶田はケニア海岸地方の世界遺産「ミジケンダの聖なるカヤの森」を管理するカヤの長老たちの動向について、マリンディ文化協会と関連が深い長老たちを対象に現地調査を行った。また、カヤの長老たちのポートレート写真を中心としたパーソナル・ヒストリー作成のプロジェクトを開始した。浜本はこれまでの調査において収集したケニア・ドゥルマ社会における<老いの力>をめぐるデータの再検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公開シンポジウムの議論によって中間的な研究成果をまとめることができ、最終的な研究成果への方向性を確認し、それに向けて準備することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は中間的な研究成果をもとに、研究集会を開催し最終的な研究の方向性を具体的に議論し成果をまとめる。その際、同様のテーマで研究している研究者を招聘し議論を重ねる。
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Causes of Carryover |
3月から4月にかけて現地調査を行ったため早期に使用金額が確定できなかった。また、最終年度の研究成果の発表のための出版事業と拡大研究集会に予算を確保する必要があった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残金と次年度予算をあわせて、最終年度において研究調査の集大成となる研究成果をとりまとめ拡大研究集会の開催と成果の出版を行う。
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