2016 Fiscal Year Annual Research Report
An empirical study on the reform of nation-based political parties in the 20th century from point of view to transform in new model in global era
Project/Area Number |
24402011
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
住澤 博紀 日本女子大学, 家政学部, 教授 (50226601)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 政党政治の変容 / ポスト・デモクラシー / ポスト・ナショナル / 社民政党 / 国際進歩連合 / 二重政治 / 欧州社会党 / シンクタンク組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
欧米諸国の政党政治は、この調査を始めてから大きな変容を遂げている。とりわけ研究の中心として設定した社会民主主義政党(社民党、労働党)やアメリカ民主党とそのシンクタンク組織は、グローバル経済の展開と一国的内での深刻な課題(社会格差の拡大、移民問題、伝統的工業地域の衰退など)を調和させることができず、政党支持を大幅に減らしている。これは保守政党も同じであり、戦後西側政党デモクラシーの構造は大きく変化しつつある。 このことはシンクタンク組織にもあてはまる。シンクタンク組織はこの間にその役割を増大させ、国境を超えるエリート集団を生み出した。こうしてこのグローバルなネットワーク内では政策やデータは共有されるが、それは人々のための政策として生かされていない。ポピュリズムが台頭すると、政党系シンクタンク組織の役割も、官僚組織と同様の支配的エリート集団と位置付けられる。事実、グローバル企業や金融機関のシンクタンク組織が行う分析との共通性が見られるようになる。 最近の議論を摂取し、政党とシンクタンク組織の現実を知るために、ヒアリング調査を行った。9月のアメリカ政治学会に参加、さらにワシントンで大統領選挙について、民主党系の3つのシンクタンク組織でもヒアリング。さらには9月にベルリンで、ドイツ社民党、エーベルト財団、ブリュッセルの欧州社民党や進歩研究財団、それに2017年3月にはベルリンでの国際進歩連合の国際会議などに参加した。 こうした問題を、デモクラシー/ポスト・デモクラシー、ナショナル/ポスト・ナショナルという二組のつい概念により、4つのマトリクスを作り、それぞれの個別政党のポジションと政策との関連性を概念化した。グローバル化の進行は、一国レベルでの国民政党のポジションを曖昧にし、政策と支持層のかい離という「二重政治」が必要となった。
|