2014 Fiscal Year Annual Research Report
冷戦期アメリカ知識人のアジア観とアジア地域政策論―「外交問題評議会」資料を中心に
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24402013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小泉 順子 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70234672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱下 武志 龍谷大学, 仏教文化研究所, 研究員 (90126368)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際関係 / アメリカ / 知識人 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、Foreign Affairs 誌の発行母体として知られる「外交問題評議会」の一次資料を中心に、冷戦期アメリカの知識人が新しいアジア観を模索する過程とその内容的な特徴を、対アジア政策論との関連の中で明らかにすることを目的とする。当該年度における調査・実績は以下のとおりである。 1. 引き続き冷戦期における外交問題評議会の諸活動および北米のシンクタンク・財団に関連する既存の研究を検討した。 2.同様に1940年代から60年代にかけて設置されたスタディグループのうちアジア研究に関わる委員会のファイルの検討を続けた。タイトルに極東、中国、東南アジアといった言葉を掲げずとも比較の視座からこれらの地域(の一部)を検討対象に含むケースもあるため、できるだけ丁寧に資料をあたり、より総合的な検討ができるよう努めた。 たとえば東南アジアに関しては、アジア太平洋戦争以前においては、主としてフィリピンに関わる議論がなされるにとどまるが、1950年以降東南アジアそのものを議論するグループが設置される。また民主化に関係したテーマの下に東南アジアの国が検討されているケースもみられる。こうしたスタディグループのメンバーには、政府関係者、企業家に並んで、財団関係者、および財団の助成を得て新たに大学に創設された東南アジア研究プログラムを担った研究者の名をみることができる。機関や領域を横断した総合的検討の必要性が改めて課題としてうかびあがる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 外交問題評議会に関わった研究者や財団関係者などに関わる資料も含めて収集はおおむね順調に進めることができた。 2. 公刊にはいたらなかったが、昨年度国際学会で報告した内容を複数の英文論文として発表するため執筆を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.引き続き外交問題評議会および評議会に関わったアジア研究者や財団関係者に関する資料収集を進める。最終年にあたるため成果のまとめにむけて焦点を絞った調査を集中的に実施する。 2.並行して執筆・改訂中の英文論考の完成・発表をめざす。
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Causes of Carryover |
・英文論文の執筆・改訂作業に時間がかかり、校閲作業が年度内に行われなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
・最終年にあたり成果のまとめをめざして集中的に補足資料調査および収集資料の綜合的分析を実施する。 ・並行して英文論文を公刊すべく執筆・改訂を進める。
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