2015 Fiscal Year Annual Research Report
内部組織と成果主義賃金―自動車ディーラー賃金制度の国際比較の視点から
Project/Area Number |
24402017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊谷 達弥 京都大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (80183789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩地 洋 京都大学, 国際公共政策研究科, 教授 (60215944)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 成果主義賃金 / 自動車ディーラー / 販売員 / コミッション / 国際比較 / 報酬制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで行ってきたアジア新興国での聞き取り調査では、自動車ディーラーの販売員に対する雇用・報酬形態は、外部労働市場との連動性が高いことが分かった。外部の賃金水準や最低賃金法の賃金水準の影響により労働者は容易に移動するため、販売員の定着率は低く雇用は流動的である。販売技能の蓄積も少ない。これに対して成熟した市場経済における聞き取り調査では次のような事実が観察された。雇用は内部化され、内部昇進や技能の蓄積が行われる。したがって、短期的な報酬形態としての成果主義賃金と、長期的な報酬に関わる昇進との関係が重要となる。また、技能の高度化に伴って、複数の職務(直接的販売だけでなく顧客との長期的関係の構築、部下や後輩のヘルプなど)を担当するようになり、こうした職務編成の仕方も成果主義賃金に影響を与える。また、成果として何を評価対象とし、どのようにそれをモニターし評価するか、評価結果をどのように報酬に反映させるか、といった点も重要である。これらを踏まえてアンケート調査票を作成してきたが、本年はさらに、ディーラー企業と自動車メーカーとの取引関係(商品選択方式、価格・数量決定システム、販売促進・支援制度)も分析の対象とする必要があることに気付き、調査内容の拡充を図った。ディーラーが販売員を評価する成果指標の策定に影響するためである。 調査票は完成したものの、2015年になり、2013年の段階で調査への協力の約束を得ていた、欧州GERPISAのマネージャー兼研究者から協力を得られないことがわかった。この協力なしには、アンケート調査を実施するためのディーラー名簿(所在地、企業名、社長名)の入手は困難である。その代替策としてJICA France officeと英国自動車販売協会NFDAに名簿入手の協力を求めたが叶わなかった。したがって聞き取り調査以外の、アンケート調査の部分の実現は出来なかった。
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Research Products
(3 results)