2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24402020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
園部 哲史 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70254133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 啓二郎 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (50145653)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 企業調査 / 技術の普及 / カイゼン / 行動経済学 |
Research Abstract |
社会の近代化、とくに産業の近代化を目指しているエチオピア政府は、日本的な経営手法として知られるカイゼンの普及運動を推進している。本研究は、エチオピアで現地調査を繰り返し、カイゼンの普及のペースに強い影響を及ぼす要因を見つけることを目標としている。これまでさまざまな技術の普及のプロセスを経済学の観点から解明しようという研究はあり、一定の成果を上げているが、カイゼンのように業種や分野を超えて利用できる知識の普及については、研究されていない。 本研究では製造業とサービス業のさまざまな業種の企業を対象とした調査を行うことにしている。1年前に提出した研究計画では、平成24年度にさまざまな業種の企業250社の調査を行うことにしていたが、予備的に調べたところ製造業に比べてサービス業でのカイゼン普及は遅れていることが分かった。またその調査の対象企業のうち100社を選んで、各社2名の管理者を対象とした個人調査を25年度に実施することにしていたが、それよりも企業調査時に個人調査も実施すれば調査費用をだいぶ節約できることが分かった。そこで、平成24年度の企業調査は対象を製造業企業(その中には様々な業種が含まれる)に絞り、個人調査も兼ねて実施した。 このように計画を修正したうえで、平成24年度は首都アディスアベバの当局に登録している従業員数5名以上の企業の中から200社を無作為に抽出して、企業調査を実施した。調査内容は、企業の幹部がカイゼンに関する知識をどの程度持っているのか、どの程度まで知識を実践しているかといったカイゼン関係の情報と、企業の業績、作業場における製品管理や品質管理の実施状況、および経営者のリスクや時間などに関する選好などに加えて、知識がどのように企業内で、また他の企業との間で伝達されていくのかを、詳しく聞き出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度分の企業調査は、そもそもの研究計画と比べると対象企業の数が250社から200社へ減ったものの、25年度に実施する予定だった個人調査で集めるはずだった情報を前倒しして収集することができた。現在は、この調査で集めたデータを詳しく検討しているが、非常に質の良いデータを集めることができたと感じている。総じて24年度分の企業調査は成功裏に終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度はサービス業200社を調査してクロスセクションデータを作り、統計的な分析を行う。26年度には24年度と同じ製造業企業200社を調査して、製造業に関するパネルデータを構築して、統計的な分析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度は企業数を250社から200社に減らした代わりに、25年度に予定していた個人調査を前倒しして実施した。しかし円高だったおかげで、60万円余りを繰り越すことにした。25年度と26年度にも同じ規模の調査を予定しているが、現在の円安を考えると、調査費用は24年度よりもやや多額になると見込まれる。
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Research Products
(3 results)