2014 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者の開かれた共生コミュニティ形成の伊米比較調査
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24402040
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
藤井 達也 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (80248905)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 精神障害者 / 共生・自律支援 / コミュニティ形成 / 開かれた共生ネットワーク / 経済的基盤 / 社会的協同組合 / 社会的企業 / 伊米比較調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の調査研究は、イタリア・ヴェローナ大学のロレンゾ・ブルチ教授、イタリア・トリエステのクラウディア・バティストン氏と、アメリカ・ニューヨーク市立大学のジェームズ・マンディバーグ准教授の研究協力により、イタリアでは8月と12月に、アメリカでは9月と2月に調査を実施できた。 本研究は、精神障害者の開かれた共生コミュニティ形成の伊米比較調査研究として、イタリア・ヴェローナで共生・自律支援を展開する社会的協同組合Self Help Veronaの事例を中心に、トリエステやアレッツオ等の他のイタリアの事例も検討してきた。そして、トリエステでWHOとの共催で開催された国際セミナーに3年連続で参加し、イギリスやアメリカのリカバリー志向の精神科リハビリテーションがイタリアに浸透してきていることを理解した。幸いにも、平成25年の国際セミナーでは、研究協力者のマンディバーク准教授と平成24年に調査させていただいたコロラドで実践を展開してきたワーナー医師も参加し、アメリカにおけるもう一つのソーシャル・インクルージョン支援との比較も可能になった。アメリカの二人の研究者・実践者が提案した精神障害者のアイデンティティ・コミュニティのアイデアを実際に実践しているニューヨークの事例調査は、平成25年から着手し、平成26年度に集中して実施できた。共生コミュニティの経済的基盤形成に、ビジネスの手法を取り入れ、エコノミック・エンパワメントに取り組み、精神障害者の社会的起業も支援していた。発展しつつある興味深い事例であったが、調査直後に諸事情から活動が他の組織に移転された。この経過と結果の解明が課題として残された。しかし、現段階での知見を基に、日本における開かれた共生コミュニティ形成の実践モデルをソーシャル・インクルージョンの一方法として具体的に提案する予定である。
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Research Products
(2 results)