2013 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴルにおける環境低負荷型石炭資源開発および技術協力システムの確立
Project/Area Number |
24404025
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松井 紀久男 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30136535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 英樹 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70253490)
笹岡 孝司 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20444862)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | モンゴル / 露天掘り石炭鉱山 / フィージビリスタディ / 限界剥土比 / 掘削システム / 運搬システム / データベース / 資源開発 |
Research Abstract |
近年、モンゴルでは石炭の生産量が急増し、石炭鉱山の開発が急速に進展している。しかしながら、モンゴルの露天掘り石炭鉱山では、これまで資源開発の経験が少ないことから鉱山開発の中でも斜面安定性に関する検討が十分なされておらず、鉱区内の斜面においてすべりによる崩壊が発生している。また、南部の砂漠地域において開発が行われている石炭鉱山では、粘着力をほとんど有しない礫が混合した砂が多く賦存しているため、剥土される岩石の特性が一般に露天掘り鉱山で採掘される岩石の特性とは大きく異なり、配慮の欠落した埋め戻しではダンピングサイトの大規模崩落が危惧される。このため、斜面の安定性を考慮した剥土岩石の埋め戻し、すなわち、ダンピングサイトの斜面設計に関して慎重に検討する必要がある。そこで本研究では、砂漠地域に位置するモンゴルの露天掘り鉱山のダンピングサイトから採取した試料(細粒分質礫質砂)の力学的特性を、室内実験により評価し、二次元有限要素解析によりダンピングサイトの設計指針およびその改善策について種々検討を行った。その結果、限られた敷地面積でダンピング量を増大する方法として、鉱区内で産出される粘土を用いてダンピングサイト斜面にカバー層を形成することで、ダンピングサイトの安定性が改善され、ダンピング可能な高さおよび斜面角度の増大が可能であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の2年目までに設定していた項目である1)Baganuur炭鉱、Tavantologoi 炭鉱及びUkhaakdudag 炭鉱における現場調査、2)これらの露天掘り炭鉱において、限界剥土比、坑内展開の可能性、石炭運搬インフラの利用可能性等を調査し、坑内展開時の問題点を抽出、3)炭層条件(傾斜、累層等)を勘案した採掘システムの最適化まで完了しており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は最終年度にあたるため、モンゴルの露天掘り石炭鉱山における経済的かつ安全な採掘設計、発破企画の提案、リハビリテーションシステムの検討、総括を行う予定である。
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