2012 Fiscal Year Annual Research Report
アジア乾燥地帯の砂漠化防止・緑化支援のための送粉昆虫資源調査
Project/Area Number |
24405016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
多田内 修 九州大学, 理学研究院, 特任教授 (10150509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮永 龍一 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (40335550)
紙谷 聡志 九州大学, 農学研究院, 准教授 (80274520)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 砂漠化防止 / 緑化支援 / 送粉 / ハナバチ類 / 中央アジア |
Research Abstract |
中央アジア温帯乾燥地域の砂漠化防止・緑化支援を目的として、有力送粉(花粉媒介)・昆虫類の分類学・生物地理および保全生態学の基礎研究を目的として、本研究を開始した。初年度はモンゴルを予定していたが、カウンターパートとの日程調整がうまく行かずに計画を変更し、8月26日~9月5日にウズベキスタンの東部を中心に調査を行った。タシケントーブハラーカザフスタン国境アイダルコル湖-キジルクム砂漠-サマルカンド-タシケント-タシケント郊外キルギスタン国境を調査した。低地で気温は40°を超える砂漠・半砂漠地域のため、開花植物は多くなかったが、ムカシハナバチ科、コハナバチ科、ハキリバチ科、ミツバチ科のハナバチ類約550個体を採集することができた。特に半砂漠の緑化植物として注目されているTamarix属(ギョリュウ科)は各地で開花が見られ、訪花ハナバチ類の個体数も多く、6カ所で調査、約200個体を採集した。前回の第二次調査(今回は第三次調査)でカザフスタン、キルギスタンで採集した種と同種のものもあり、分類学的研究はスムースに進んでいる。また、DNAバーコードの解析もすすめており、今後アジア産ハナバチ類の遺伝的多様性を明らかにしていく。また、8月20日から開催された第24回国際昆虫学会議(韓国テグ市)では、中央アジア産コハナバチ科の分類学的研究についてこれまでの成果を発表した。既に公開している中央アジア産ハナバチ類標本データベースについては、分類同定が進み種名の多くが明らかになりデータを更新した。今後論文を発表後に更新データを公開する。また、中央アジアの海外調査のホームページは既にインターネット上に公開しているが、今回の調査結果を追加する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は8月下旬に国際昆虫学会議への出席発表があり、その直後に調査に入ったため、調査期間を短かくせざるをえなかった。しかし、ウズベキスタンの砂漠植物での調査は順調に実施でき、また、中央アジア産ハナバチ類の分類学的研究が大きく進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は5月に約1ヶ月間のカザフスタン、キルギスタンでの現地調査を行い、また、8月下旬~9月上旬にも現地調査を行い、生態調査に力を入れる。分類学的研究は順調にすすんでおり、帰国後DNAバーコードの研究にも集中する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度は国際昆虫学会議の開催時期と重なったため、現地調査期間が多くとれなかったため、旅費が多く残ったが、25年度は約1ヶ月の調査期間を含め、現地調査を多く計画しており、予定通り使用する。
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Research Products
(4 results)