2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24405018
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今井 啓雄 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (60314176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 正二 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (40282727)
三上 章允 中部学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40027503)
辻 大和 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (70533595)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 霊長類 / 苦味 / 色覚 / 味覚 / 採食 / 国際研究者交流 / インドネシア |
Research Abstract |
平成24年度は、生態調査と採食品目の採集を中心に行い、一部個体の遺伝子型を解析した。その結果に基づき、平成25年度は、個体識別によるそれぞれの個体の感覚受容体遺伝子系判定と採食品目の分析を中心に行った。各調査地から集めたフン試料からDNA を抽出し、サル個体についてのDNA 分析を行った。シリカゲルを用いた乾燥保存よりも保存溶液を用いた液浸保存の方が目的のDNA を効率よく保存・抽出・精製することができた。精製したDNA 溶液からPCR により、色覚受容体、味覚受容体、嗅覚受容体の遺伝子を増幅し、シークエンスにより各個体のDNA 配列を決定した。色覚受容体については波長制御に関わるエキソン3,5 を中心に解析した。また、苦味受容体については1kbp 程度の単一エキソンから構成される遺伝子であるため、全体をクローニングすることを試み、断片化により困難である場合は数カ所に分けて増幅した。得られた配列は発現ベクターにクローニングし、順次機能解析を色覚受容体については分光学的方法で、味覚受容体はカルシウムイメージング法により行った。特に、インドネシア、パンガンダラン国立公園では個体識別したジャワルトンのシークエンスキャプチャ解析により遺伝子を網羅的に解析することに成功した。また、採食している葉と採食していない葉について、栄養学的・分光学的な特性を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
インドネシア、パンガンダラン国立公園では個体識別したジャワルトンのシークエンスキャプチャ解析により遺伝子を網羅的に解析することに成功した。ジャワルトンを含むコロブス類の個体識別は非常に困難であるが、分担者の辻により個体ごとの遺伝子解析が可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
インドネシアの霊長類を中心に、シークエンスキャプチャ法のさらなる拡大を試みる。また、マーモセット類の盲腸で味覚受容体が発現していることを発見したため、野生マーモセットの採食品目確認や腸内細菌等の調査も試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
採食品目の分析に時間がかかり、25年度中にすべて終了しなかったために消耗品等の支払いを26年度に繰り越すことにしたため。 26年度の採食品目分析に活用する。また、野生マーモセットの採食品目の確認とフン試料の採取のために、計画調書に書いた地域以外に調査地域にブラジルを含めることも検討する。
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Research Products
(16 results)