2014 Fiscal Year Annual Research Report
中国大陸起源木本類の日本への伝搬に関する環境文化史学的研究
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24405023
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤井 英二郎 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (40125951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百原 新 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (00250150)
上原 浩一 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (20221799)
章 俊華 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (40375613)
中村 郁郎 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (50207867)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 造園樹木 / イチョウ / 伝播経路 / 分子系統 / 遺伝子解析 / 環境文化史 |
Outline of Annual Research Achievements |
イチョウの自生地の一つとされる中国の天目山とその周辺地域の調査個体と、韓国、日本のイチョウ巨樹から採取した251検体を遺伝子解析した結果、8種類の系統が推定され、それらは、1)中国、韓国、日本に分布する系統、2)中国と日本に分布する系統、3)日本だけに分布する系統、の3つに分類された。1)は、中国の天目山とその周辺地域、韓国、日本の東北地方に分布する系統であることから、中国から韓国を経由して日本の東北地方の一部への伝播が推定された。また、2)は中国の上記地域と日本の九州・四国・中国地方、東北の一部に分布する系統で、中国から日本への直接的伝播が推定された。一方、3)は日本国内のみに分布する系統で、九州・四国と東北地方に多く分布し、その一部に遺伝子型が特に類似する雄個体が見られたことから、それらが挿し木繁殖によって伝播した可能性が考えられた。この挿し木繁殖による伝播については、幾つかの巨樹の由来伝承とも符合した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の中心課題であるイチョウについて、中国から韓国や日本への幾つかの伝播経路を推定することができたことから、この結果を国際誌に投稿する。また、もう一つの課題は、イチョウの巨樹が比較的少ない近畿地方を中心に日本国内の巨樹で試料採取できていない個体があることから、それらを優先的に調査し、日本国内での伝播経路をより確かなものにする。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果をもとに原稿をまとめ、国際誌に投稿する。また、相対的に巨樹の少ない日本の近畿地方などを中心に補足的調査を行い、伝播経路推定をより確かなものにする。
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