2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24405025
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北島 宣 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70135549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 雅史 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (00305161)
八幡 昌紀 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60420353)
清水 徳朗 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, その他 (90355404)
山崎 安津 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (70582584)
米森 敬三 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10111949)
桂 圭佑 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (20432338)
小枝 壮太 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00629066)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 果樹 / カンキツ / 起源 / 種分化 / 伝播 |
Research Abstract |
平成25年度はミクロネシア、ベトナム南部、インドネシアスマトラ島、与論島、フィリッピンルソン島の在来カンキツ調査を行い、それぞれ28、27、23、20、33サンプルを採取した。平成25年3月に中国潮州市で採取した18サンプルを加え、平成26年3月にフィリッピンで採取した33サンプルを除き、118サンプルについてクロロプラストTrnS-G領域のシークエンス解析を行い、ターゲット配列の全長を読めたものは、中国潮州市が8サンプル、ミクロネシアが18サンプル、ベトナムが14サンプル、インドネシアが10サンプル、与論島が12サンプルであり、合計62サンプルについて細胞質型を特定することができた。 ミクロネシアでは、ヒメレモン型、ブンタン型、ダイダイ型、メキシカンライム型のものが比較的多く見られた。メキシカンライム型のものはライムタイプのものであった。また、ダイダイ型が多くみられたのも特徴であった。インドネシアではメキシカンライム型とポンカン型が多く見られた。ベトナム南部のC. nobilisはポンカン型であり、前年のベトナム北部の結果と一致した。ベトナムの小型レモンはいずれもヒメレモン型であり、調理用カンキツのなかにシキキツ型のものも存在した。ベトナム小型レモンよりやや大型の無核レモンはダイダイの細胞質であり、交雑によって生じたもの考えられた。ミクロシトラス様の庭園樹の細胞質は他と大きく異なる塩基配列であった。与論島ではシークワーサーの採取を行い、1個体はタチバナの細胞質を有していたが、他はすべてシークワーサーの細胞質であった。中国広東省潮州市で台木用に育成しているカラタチ様の三出葉を有する個体の細胞質はポンカンであり、雑種由来であった。台木に使われている江西紅橘はポンカン型であった。サンキツやタンカンはシークワーサー型であり、これまでの結果と一致した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インドネシアとフィリッピンはカウンターパートを探し、コンタクトを取って研究内容を説明し、研究協力の要請を行い、今年度に調査を実施することができた。フィリッピンのサンプルはまだ解析ができていないが、ミクロネシアとインドネシアのサンプルで、パペダの細胞質を特定することができた。また、ラングプールライム型のカンキツが南シナ海地域に広く分布することが明らかとなった。このように、南シナ海沿岸地域のカンキツの細胞質のタイプが順次明らかにされてきており、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
南シナ海地域をさらに広範に調査するため、ベトナム中部、フィリッピン中部、インドネシアスラウェシ島、タイ南部の在来カンキツの調査を行う予定である。これらの調査から、パペダ類の細胞質型を広範囲に明らかにするとともに、ラングプールライムの細胞質をもつカンキツの分布を明らかにする。また、未調査地である中国福建省やまだタチバナの自生が確認できていない台湾の調査も行いたい。さらに、ニューギニア島やカリマンタン島調査のための準備を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
使用額の端数により2865円が次年度使用額として生じた。 次年度使用額は2865円と少額であるため、当初の使用計画からの変更はない。
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[Journal Article] Diversity of Chloroplast DNA in Various Mandarins (Citrus spp.) and Other Citrus Demonstrated by CAPS Analysis2013
Author(s)
Yamamoto, M., Y. Tsuchimochi, T. Ninomiya, T. Koga, A. Kitajima, A. Yamasaki, S. Inafuku-Teramoto, X. Yang, X. Yang, G. Zhong, N. Nasir, T. Kubo and S. Tominaga.
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Journal Title
J. Japan. Hort. Sci.
Volume: 82
Pages: 106-113
Peer Reviewed