2013 Fiscal Year Research-status Report
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24500004
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
黒澤 馨 茨城大学, 工学部, 教授 (60153409)
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Keywords | 公開鍵暗号 / IDベース暗号 / 内積暗号 / 鍵漏洩 |
Research Abstract |
秘密鍵の一部が漏洩しても安全な暗号方式を、leakage resilientな暗号方式という。従来知られているleakage resilientなIDベース暗号方式のleakage rate は、1/3 であった。これに対し、本研究では、leakage rateが 1-o(1) となるIDベース暗号方式を開発し、安全性をdecision linear仮定(DLIN仮定)の下で証明した。 一方、内積暗号は、属性ベクトル u を使って暗号化され、秘密鍵は述語ベクトル id に依存して定まる。復号は、uとdの内積が0のときのみ可能となる。しかし、leakage resilient 内積暗号方式は、従来知られていなかった。これに対し、本研究では、leakage rateが1-o(1) となるIDベース暗号方式を開発し、安全性をdecision linear仮定(DLIN仮定)の下で証明した。 上記の2つの成果を、秘密鍵を一定期間毎に更新することにより、秘密鍵の漏洩量の総和に上限を設けないモデルをcontinual memory leakage モデルに拡張した。以上の成果は、国際会議ACNS 2013に採択された。 次に、以上の暗号方式について、位数が7のペアリンググループに関する数値例を構成した。さらに、位数が 160ビットのペアリンググループ上で計算機シミュレーションを行った。この成果は、情報セキュリティ研究会において発表した。 さらに、Kurosawa-Desmedtハイブリッド暗号方式を基に、従来のNaor-Segev公開鍵暗号方式に比べ、公開鍵サイズ、暗号文サイズが短いleakage resilientなハイブリッド暗号方式を開発した。この成果は、Journal of Mathematical Cryptologyに採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように、国際会議ACNS 2013、およびJournal of Mathematical Cryptologyに採択されるという成果が得られた。また、計算機シミュレーションも行い、情報セキュリティ研究会において発表した。 特に、continual memory leakage モデルにおいては、従来のIDベース暗号方式は選択ID安全性しか満たしていなかった。これに対し、本研究では、完全安全性を満たすIDベース暗号方式を開発した。 また、従来、continual memory leakage モデルにおいて安全な内積暗号は知られていなかった。これに対し、本研究では、選択安全性を満たす内積暗号方式を開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
最近、申請者は、Kurosawa-Desmedtハイブリッド暗号方式を基に、従来より効率のよいCCA安全なKEMを構成し、国際会議Africacrypt 2014に採択された。この方式を基に、leakage resilientでCCA安全なKEMを開発する予定である。 また、Kiltzらは、国際会議CRYPTO 2013において、行列Diffie-Hellman仮定という概念を導入した。本研究において既に開発したleakage resilientなIDベース暗号および内積暗号を、この行列Diffie-Hellman仮定という概念に基づく方式に一般化するとともに、公開鍵サイズを削減することを検討する。 一方、最近、leakage resilientのみならず、tamper resilientな暗号方式も検討されるようになってきた。ここで、tamper resilientとは、サイドチャネル攻撃などによって秘密鍵の一部を操作されてしまったとしても安全、という意味である。今後、このような安全性を満たす暗号方式も開発していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
バルバドスで2014年3月3日~7日に開催された国際会議Financial Cryptography and Data Security 2014に情報収集のため参加予定であったが、父親の体調を考慮し、取りやめたため。 2015年3月にポーランドで Theory of Cryptography Conference (TCC 2015)に、情報収集のため参加する予定である。
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Research Products
(3 results)