2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500005
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
岡本 健 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (00349797)
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Keywords | 暗号 / 電子署名 / 相手認証 / 匿名認証 / ペアリング / CAPTCHA |
Research Abstract |
25年度は、主にアルゴリズムの実装について検討した。 楕円曲線の特性に関する、24年度の結果を組み込むことによって、匿名認証を行う演算処理について、新しい暗号方式を提案した。得られた暗号方式に対し、汎用計算機や開発用ソフトウェアを用いて実装し、多面的な評価を行った。プログラミング言語は、Cを主に用いた。 現在は暗号技術として、楕円曲線上のペアリングが主に使われているが、危殆化したときのことを考慮し、新たな双線形写像についても検討を行った。 24年度で得られた結果に基づき、最終的にシステム全体の統合化を実現するための取り組みを行った。また、提案する匿名認証方式について実装を行い、各種の実証実験を行うことにより、実際のネットワーク環境下において、どれたけ有益か見極めた。 また、上記の要素技術として利用するため、CAPTCHAに関する研究を推し進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルゴリズムの提案手法に対し、既存の汎用PC機を用いることにより、計算量、モジュールの大きさ、メモリ消費量等の定量的な評価を行なうことができた。電子署名システムの安全性や信頼性を評価するだけでなく、実用化を視野に入れた利便性に関する評価を実施できた。CAPTCHAについて、文意文脈解釈問題と呼ばれる研究に着手し、この中で共通話題識別テストやサードサラダ識別テストについて、新しい知見を得ることができ、本研究の要素技術となった。これら研究に関する内容を成果としてまとめ、研究会予稿集の出版、およびシンポジウムなどで発表することができた。これらのことを考慮し、上記のとおり達成度を評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は主にプロトコルの研究を行う。 最初に共通要素的となる技術を利用して、現在使われている多くの代表的暗号プロトコルに対し、ペアリングを用いたプロトコルへの置き換えを検討する。SSLへの応用はその候補のひとつで、その中に含まれている暗号プロトコル部分をベアリングに置き換えて評価を行う。これにより、実用面において、相互通信の回数や帯域、メモリなどの大幅減少が見込めるため、どの程度の削減が可能か定量的に評価する。 次にプロトコルを実用化する際に重要な役割を果たす電子決済サービスへの適用など、従来の匿名認証の更なる高機能化を目指す。電子商取引や電子投票、電子アンケートなど、高い匿名性が求められるルチパーティプロトコルの開発についてもこの段階で検討を行う。 上記の要素技術として利用するため、CAPTCHAに関する研究を推し進める。研究代表者は既にいくつかの基礎的な匿名鍵共有プロトコルを提案しており、本研究ではこれらを含めたプロトコル開発を行う。なお、プライバシ関連については、社会における個人情報漏えい事件の多発により、安全対策の要請が高まっていることから、研究の進捗状況に応じて、専門家の協力を仰ぎ適宜対応策を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額はわずかであり、当初予定通り使用できたと考える。 26年度請求額と合わせて、主に成果発表のための旅費に充てる予定である。
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