Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多面体の展開図の列挙において、同型なものを排除して本質的に異なる展開図を求める途中で、BDD/ZDD のノード爆発が起こり得る。これに対処するため、個々の展開図を列挙することなく、同型性を排除した展開図の個数を求めるアルゴリズムを開発した。また、本手法は一般の多面体に対して適用可能であることを証明した。本手法を実際に整面凸多面体 (各面が正多角形からなる凸多面体で、正多面体、半正多面体、ジョンソン・ザルガラー立体、正n角柱、正n反角柱からなる) に対して適用した。たとえば、角切り二十面体の辺ラベル付き展開図は 375,291,866,372,898,816,000個であり、これらを1つ1つ列挙して同型性をチェックすることは、計算時間の面からも、計算に使用するメモリの面からも困難である。これに対し、本手法を適用することで、個々の展開図を列挙することなく、同型性を除去した本質的に異なる展開図が 3,127,432,220,939,473,920個であることが分かった。ねじれ十二面体や角切り十二・二十面体の辺ラベル付き展開図は、それぞれ 438,201,295,386,966,498,858,139,607,040,000,000個と 21,789,262,703,685,125,511,464,767,107,171,876,864,000個であり、さらに困難性が増すが、本手法により同型性を排除した展開図の個数はそれぞれ 7,303,354,923,116,108,380,042,995,304,896,000個と 181,577,189,197,376,045,928,994,520,239,942,164,480個であることが分かった。他分野でも同型性の排除が困難になる問題が多々あり、本手法は分野横断的な応用が期待できる。 以上のように、研究計画に沿って、順調に進展している。
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