2012 Fiscal Year Research-status Report
Galois connectionをもつ部分構造論理の研究
Project/Area Number |
24500024
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
近藤 通朗 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (40211916)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
部分構造論理の代数的意味論としてresiduated latticesを考察している.この論理のresiduated latticesによる完全性定理はすでに示していたため,様相演算子を追加した様相部分構造論理の性質は,residuated latticesに様相演算子に対応する演算子を追加した代数系の性質を調べればよいことがわかる.そこで,様相演算子としてGalois connectionを追加した代数系の性質を調べることが本研究の主題となっている. 平成24年度はGalois connectionという2つの演算子の組ではなく,まず一つの演算子(universal qunatifier)を追加した体系の性質を調べた.これまでの先行研究では,MV-代数やBL-代数にこの演算子を追加した,monadic MV-代数の特徴付け(1998年),monadic BL-代数の特徴付け(2004年)が証明されていた.その後2008年にさらに一般化したmonadic Rl-monoidの特徴付けが,2つの条件の下で,証明された. 本研究では,さらに一般化したmonadic residuated latticeの特徴付け定理を証明した.もとの代数系がRl-monoidよりも一般的なresiduated latticeなので,当然ながら,証明には上述の2つの条件が必要と思われていたが,証明を工夫しこれらの条件を用いることなく証明することができた.したがって,これまで煮えられていた結果は,本論文の定理から簡単に得られることがわかる.「characterization of monadic residuated lattices」の題目で投稿論文として準備中である.また,この結果を早く公開するため,平成25年度に開催される国際会議でも発表する予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
一組のGalois connectionを同時に考えず,まずuniversal quantifierとよばれる一つの演算子を考察し,その演算子を持つ代数系(monadic residuated lattices)の性質を調べることに取り組んだ.その際この分野での問題に遭遇したが,これまでに得た結果がうまく使えるような体系だったことも幸いし,新しい結果も含めさらに結果を一般化できた.そのため初年度ながら論文投稿まで進むことができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
研究テーマごとに以下のような研究者と共同研究やセミナーを行う.また情報交換は電子メールを中心に行うが,国際会議などを利用して海外の研究者との研究打合せを行い,研究を遂行する: 1.直観論理(Heyting代数)上のGalois connectionについて,Jariven(フィンランド),Dzik教授(ポーランド)と夏にフィンランドに滞在し,共同研究を行う.これまでに,彼らとの研究成果は2編の共著論文として,学術雑誌に発表しているが,現在3つめの共著論文を学術雑誌に投稿し審査中である. 2.perfect residuated latticeについて,Turunen教授(フィンランド,現在オーストリア在住).turunen教授とはこれまでに1編の共著論文を学術雑誌に発表しており,新しい問題について共同研究を行っている.冬にTurunen教授が滞在中であるオーストリアの大学で,セミナーを行う予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は,夏にフィンランドの共同研究者(Jarvinen氏)のもとで研究を行い,monadic operatorを一般化したmultiplicative interior operator (mi-operator)についての研究を進める.また,Turunen教授は,現在オーストリアに滞在中であるため,冬に彼の所属する大学でセミナーを行う予定である.これ以外に,チェコで9月に開催される国際会議には,論文を投稿し現在審査中である.採択されれば,フィンランドからの帰りに発表を行う予定である.このように海外研究者とのセミナー,研究打合せを行い,国際会議での発表を中心に研究を進める.そのため,フィンランドでの研究およびチェコでの国際会議発表(65万円),オーストリアでのセミナー(25万円)を使用する予定である.また,国内研究者との情報交換やセミナーのため,国内旅費として15万円を予定している. 国際会議に採択された場合の参加費(5万円)を予定している.
|
Research Products
(7 results)