2012 Fiscal Year Research-status Report
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24500028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
南出 靖彦 筑波大学, システム情報系, 准教授 (50252531)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ソフトウェア検証 / プログラム解析 / ウェブ / 文脈自由文法 / プッシュダウンシステム / HTML5 |
Research Abstract |
文字列解析によるウェブソフトウェア開発支援について以下の研究を行った. (1)HTML5構文解析仕様を形式化する研究を行った.HTML5構文解析仕様は,スタックを用いた複雑なアルゴリズムとして自然言語により記述されている.研究の第一段階として,active formatting elementと呼ばれる要素に関する処理を含まないサブセットを,遷移の条件としてスタックの内容を正則言語で検査できる条件付きプッシュダウンシステムとして形式化した.また,active formatting elementに関する処理の形式化のため,スタックを2本持つモデルの導入を行い,到達可能性問題を決定可能にする条件に関して分析を行った. (2)HTML5構文解析仕様の形式化に基づき,構文解析器のテストのためのHTML文書を自動生成する研究を行った.条件付きプッシュダウンシステムに対する効率的な到達可能性判定アルゴリズムを開発し,テストの自動生成に応用した.構文解析仕様のサブセットから約350個のテストが生成でき,SafariやFirefoxの仕様に対する非互換性の発見に成功した. (3)ウェブソフトウェアで用いられる正規表現マッチングの意味論の研究を進め,アトミックグループと呼ばれる正規表現の拡張について研究を行い,その拡張を含む正規表現の言語が正則であることを示した.また,拡張された正規表現からオートマトンへの変換を実装し,サーバサイドプログラムに実際に現れる正規表現に対して,評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウェブ環境が急速にHTML5ベースに移行しつつあり,ウェブの開発支援技術のHTML5への対応が急がれている.本年度の研究は,この点で成果を上げており,研究はおおむね順調に進展していると評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
文脈自由言語及びプッシュダウンシステムに基づくシステム検証の理論に関する研究を行い,同時に,その成果をウェブソフトウェアの開発支援に応用する研究を進める.国際会議などへの参加などにより,国内外の関連分野の研究者との交流を進め,研究を加速する.特に,下記の研究に重点を置き研究を進める. (1)プッシュダウンシステムの拡張として,スタックをトランスデューサで書き換える遷移を考える.この拡張に対する到達可能性解析アルゴリズムを開発し,HTML5に関する研究に応用する. (2)正規表現マッチングに関する研究を進め,マッチングに必要となる計算時間が線形となるか判定するアルゴリズムを開発する.木トランスデューサに関する理論を応用できると考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際会議における研究成果の発表1~2回,国内の研究集会における成果発表2~3回の費用を支出する.また,ウェブソフトウェア開発支援システムの開発に使用するノート型コンピュータを1~2台購入する予定である.
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