2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
品川 高廣 東京大学, 情報基盤センター, 准教授 (40361745)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 仮想マシンモニタ / BitVisor |
Research Abstract |
平成24年度は、研究実施計画で記載したとおり、(1) ストレージ仮想化による端末管理の容易化、(2) ストレージの配置変換による性能向上、(3) I/O レベルのフォルトインジェクションによるOS・ドライバの信頼性向上、(4) ボランティアコンピューティング向けの相互に安全かつ信頼できるリモート計算手法の4つのサブテーマに分けて研究をおこなった。 (1)のストレージ仮想化による端末管理の容易化では、仮想マシンモニタ内部においてストレージへの書き込みやネットワークカードを制御することにより、ゲストOSから透過的にバックグラウンドでインストールを実現する機能の設計・実装をおこなった。 (2)のストレージの配置変換による性能向上では、仮想マシンモニタの内部においてストレージへのアクセスの配置転換をおこなう機能を実装して、基本的な性能評価をおこなった。 (3)のI/O レベルのフォルトインジェクションによるOS・ドライバの信頼性向上では、AHCIデバイスに対して状態遷移を追跡してデバイスやOSのデバイスドライバの状態を監視できるようにしたほか、既存のデバイスドライバのバグを検出するための調査などをおこなった。 (4)のボランティアコンピューティング向けの相互に安全かつ信頼できるリモート計算手法では、リモートから送られてきたコードを仮想マシンモニタ内部の保護ドメイン内で安全に実行させる仕組みにを設計・実装したほか、リモートサーバと通信してELF形式のコードをダウンロード実行する仕組みを設計・実装した。さらに、ホットプラグ機構を応用して、ゲストOSと仮想マシンモニタとの間でCPU資源を動的にやり取りする仕組みを簡易的に実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載したとおり、平成24年度は交付申請書に記載した4つのサブテーマのそれぞれについて設計・実装をほぼ予定通り実施したほか、新しいアイデアの取り入れも試みており、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、交付申請書に記載したとおり、引き続きそれぞれのサブテーマについて研究を進め、その過程を通じて準パススルー型アーキテクチャの有効性を確認するとともに,他の手法と比べた利害得失の明確化や更なる改良などをおこなっていく。 具体的なサブテーマとしては,(1)ストレージ仮想化による端末管理の容易化,(2)ストレージの配置変換による性能向上,(3)I/O レベルのフォルトインジェクションによるOS・ドライバの信頼性向上,(4)ボランティアコンピューティング向けの相互に安全かつ信頼できるリモート計算手法,の4つの応用研究を実施する. 平成25年度は,全てのテーマについて実装を完了させ,適宜進捗に応じて評価をおこなっていく.(1)のストレージ仮想化による端末管理の容易化については,ローカルストレージへのバックグラウンドインストールを実現する機能の実装及びサーバストレージへのバックアップ機能の設計・実装をおこなう.(2)のストレージの配置変換による性能向上については,配置変換機能の実装を完了させOS起動時簡短縮などの効果を評価する.(3)のI/O レベルのフォルトインジェクションによるOS・ドライバの信頼性向上では,NICデバイスドライバのバグを発見する系統的な手法を検討して,実際のデバイスドライバで検証する.また,NIC以外のデバイスについても検討を進める.(4)のボランティアコンピューティング向けの相互に安全かつ信頼できるリモート計算手法については,計算コードのスケジューリング機能を実装し,ゲストOSの動作を阻害することなく高速に計算する手法を設計・実装する.また,既存の環境に容易にインストールして使ってもらうための仕組みについて検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
それぞれのサブテーマについて、実験に必要な機材の購入や論文執筆時の英文校閲料、調査及び論文発表にかかる旅費などに対して研究費を使用する。
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Research Products
(5 results)