2014 Fiscal Year Annual Research Report
形式手法の統合によるシームレスなソフトウェア開発手法の提案
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24500035
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
青木 利晃 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (20313702)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 形式手法 / モデル検査 / 形式仕様記述 / テスト / 車載ソフトウェア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度(最終年度)は,当初の計画どおり,ツールの実装と,提案手法の評価を行った.実装したツールは,形式仕様記述言語Event-Bによる記述と境界(Bounds)を入力とし,提案したアルゴリズムに基づいて,設計モデルを検査するためのPromela記述を自動的に出力する.出力されたPromela記述と同じくPromelaにより記述された設計モデルを組み合わせ,モデル検査ツールSpinで自動的に検査することにより,仕様と設計の整合性を自動的に検証することができる.また,このツールを,車載オペレーティングシステムの事例に適用し,評価を行った.これにより,提案手法とツールは,境界の設定により状態爆発問題を回避しつつ,十分な誤り検出能力を持つことを示すことができた. 研究期間全体を通しては,おおむね順調に進んだと考えている.当初の予定どおり,複数の形式手法を統合し,ソフトウェア開発の上流工程から下流工程までをシームレスに接続した.さらには,実際の車載オペレーティングシステムの事例に適用し,提案手法の有効性を示すことができた.本研究の意義は,形式手法に基づいて,全行程をカバーすることができたことである.我々が注目している題材の車載オペレーティングシステムでは,開発工程の一部に形式手法を適用し,検証した事例のみであった.一方で,我々は,仕様記述から実装のテストまで,シームレスに接続し,全行程をカバーすることができた.これは,大きな意義のある成果であると言える.また,我々が検証している車載オペレーティングシステムは,実際に世の中で使われているものであり,それを対象として提案手法の有効性を示すことができた.これにより,産業界における形式手法の採用が加速され,ソフトウェアの信頼性,安全性が向上することを期待している.
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Research Products
(8 results)