2013 Fiscal Year Research-status Report
マルチプロセッサを対象とした組込みソフトウェアの低消費電力化
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24500036
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
曾 剛 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (90456632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 豊 名古屋大学, 情報科学研究科, 助教 (30547500)
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Keywords | 組込みソフトウェア / 省エネルギー / マルチプロセッサ |
Research Abstract |
(1) マルチプロセッサは、低消費と高性能の両立ができることから注目されている。これまで、様々な低消費タスク割り当て方法が提案されているが、低消費タスクマイグレーションアルゴリズムは、まだ提案されていない。そこで、我々は、静的なタスク割当方法に基づく、タスクマイグレーションのモデルとタスク分割手法を提案した。この方法は、静的に割り当てた大きなタスクを二つのサブタスクに分割し、それらを二つのプロセッサでそれぞれ実行することによって、プロセッサの周波数と電圧を下げる。その結果、タスク実行のエネルギーを削減することができる。シミュレーションによる評価の結果、従来方法より消費エネルギーを最大14%削減できることを確認した。本研究成果は、国際会議に論文を投稿中である。 (2) マルチプロセッサの低消費に関する研究は、シミュレーションでの評価が多く。実際のボードにおける省エネルギー効果やプロセッサとボード全体の低消費効果の割合について詳細に評価されていない。我々は、big.LITTLE アーキテクチャチップを搭載した ODROID ボードを用いて、Androidがサポートしている DVFS 機能とタスクマイグレーションによる低消費機能の効果について測定した。今後は、今年度確立した測定方法を使って、最適な低消費エネルギー戦略の検討を進める予定である。 (3) HEMS(Home Energy Management System)に関する研究の多くは理想的な家電モデルを想定しており、実用性を考慮しているものが少ない。そこで、我々は、実際の家電の物理特性と運用特徴を整理し、実行中に中断できる家電と、中断できない家電に分けて、電気料金の最小化、家電使用快適さの維持、CO2排出の最小化という三種類の最適なエネルギースケジューリング手法を提案した。本研究成果は、国際会議に論文を投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年7月に研究代表者の職務契約変更があり、主職務の内容変更等予想していなかった事態が発生した。その結果、本研究に注力できる時間が、大きく減ってしまったこと、当初予定していた研究協力者(大学院生を想定していた)を確保できなかったことがされなかったことにより、研究の達成度が当初の目標より、遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、達成度が低いテーマであるマルチプロセッサ電源管理アルゴリズムと低消費電力化スケジューリングの研究を中心に進めるとともに、今年度の成果を踏まえて、現在提案している手法の改善と評価や、論文の執筆を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた研究協力者(大学院生を想定していた)を確保できなかったので、 人件費(46万円)の未使用額が発生した。また、論文発表が遅れたので、論文発 表に関する掲載費と旅費の支出は,当初の計画より少なかった。 次年度は、研究協力者(大学院生を想定していた)を確保できた場合にはその謝金として使用するが、万が一研究協力者が確保できなかった場合には、研究の進捗を早めるための新たな設備を購入する。また、今年度できなかった論文発表に関する掲載費と旅費を次年度使用する計画である。
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