2012 Fiscal Year Research-status Report
分散システムにおけるプロセス間相互作用と故障耐性の研究
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24500039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
角川 裕次 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (80253110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大下 福仁 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (20362650)
増澤 利光 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (50199692)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分散アルゴリズム / モバイルエージェント / プロセス同期 / 自己安定 |
Research Abstract |
今年度は、センサネットワーク向け通信効率の良い自己安定アルゴリズム設計手法、ネットワーク上で動作するモバイルエージェントシステムの基礎理論、および、あらたなプロセス間同期問題について研究を進めた。 ・通信効率の良い自己安定アルゴリズム設計技法 : 基本的な考え方は通信回数を減らすという点であるが、単純に通信回数を減らしただけでは、障害が発生したときに正常な状況に回復するまでの時間が長くなってしまう。そこで障害が発生した直後は通信回数を減らすことなく頻繁に通信をすることで、回復時間を短くする。そして正常な状況に回復し安定してからは通信回数を減らす。この方法で全体的な通信量を削減することに成功した。本成果は国際会議で発表し、最優秀論文賞を授与された。 ・モバイルエージェントの基礎理論 : ネットワーク上を自律的に移動しながら、複数のエージェントが協調してタスクを達成する手法を研究した。これまでは全エージェントが1箇所に集合する問題がよく研究されてきているが、本研究ではエージェントが複数個所に分かれて集合する部分集合問題を新たに提案し、その解法を示した。また、1箇所に集合する問題に対しては、匿名単方向リングネットワーク上での乱択解法を示した。これらの成果は国際会議で発表した。 ・あらたなプロセス間同期問題 : 新たなプロセス間同期問題として、相互包含問題を提案し、その解法の研究をすすめた。相互包含問題とは、相互排除問題と相補的な問題で、少なくとも1つのプロセスが臨界領域に入っていることを保証する問題である。この問題は単なる理論的興味に限らず、センサネットワークでの動的なクラスタリング問題への応用がある。現在、研究成果を論文にまとめており、論文誌への投稿準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
障害に強い分散アルゴリズムの一つである自己安定アルゴリズムの通信コストの省力化に関する成果、ネットワークの自律動作を可能とするモバイルエージェントに関する研究成果を得ることができ、国際会議にて発表することができた。また、プロセス間同期問題に関する研究も順調に進んでおり、論文誌への投稿に向けて執筆中である。これらの点より、研究はほぼ予定通り順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、動的な変化がある分散ネットワークでのアルゴリズム設計手法の研究を継続する。とくに2年目では、センサネットワーク向け自己安定アルゴリズムの構築を容易にする手法、障害に強いモバイルエージェントアルゴリズム設計手法、そして障害に強いプロセス間同期機構向け通信構造の研究を進めてゆく。そしてそれまでに得られてきたアルゴリズムをセンサネットワーク上で実装し、その有効性の実験的な実証に着手する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・センサネットワークを構成するノードとしてOracle社SunSPOTを購入し、実機上で分散アルゴリズムの実装実験に備える。 ・実機実験に先立ち、アルゴリズムの動作確認および予備実験用として、分さ鳴子リズムシミュレーション用計算機としてPCの購入を行う。 ・研究成果発表のための国際会議旅費および国内研究会旅費への支出を行う。
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