2013 Fiscal Year Research-status Report
分散システムにおけるプロセス間相互作用と故障耐性の研究
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24500039
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
角川 裕次 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (80253110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大下 福仁 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (20362650)
増澤 利光 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (50199692)
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Keywords | 情報科学 / 計算機科学 / 分散アルゴリズム / プロセス |
Research Abstract |
今年度は、センサーネットワーク向けの通信効率の良い自己安定アルゴリズム設計手法, ネットワーク上で動作するモバイルエージェントシステムの基礎理論, およびプロセス間同期問題に関するアルゴリズムの研究を行なった. - 通信効率の良い自己安定アルゴリズム設計技法: 基本的な考え方は通信回数を減らすという点であるが, 単純に通信回数を減らしただけでは障害発生時でのシステムの回復時間が低下する. そこで障害が発生した直後は通信回数を自律的に増加させて回復時間の短縮を行なう. そしてシステムが正常な状況に回復すると, 自律的に通信頻度を下げて通信量を減らす. この手法により総通信量を削減することが可能となった. - モバイルエージェントの基礎理論: ネットワーク上を自律的に移動しながら複数のエージェントが協調してタスクを達成する手法を研究した. これまでは全エージェントが一家書に集合する問題が頻繁に研究されてきたが, 本研究ではエージェントが複数箇所にわかれて集合する部分集合問題を提案し, その解法を考案した. - 新たなプロセス間同期問題: プロセス間同期問題の新たなものとして, 相互包含問題を研究している. 相互包含問題とは, 従来良く研究されている相互排除問題と相補的な問題であり, 少なくとも1つのプロセスが臨界領域に有ることを保証する問題である. 本研究では相互包含問題のさらなる一般化を行ない, 統一的な枠組を提案することで相互排除問題と相互包含問題との相補性の証明を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネットワーク障害に強い分散アルゴリズムのひとつである自己安定アルゴリズムの通信コスト改善に関する成果, ネットワークの自律的動作を可能とするモバイルエージェントのためのさまざまなアルゴリズムに関する成果, プロセス間相互作用としての相互包含に関する成果を得ることができた. これらは国際会議や論文誌で発表を行なった. これらのことより, 本研究課題は順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引続き, 動的な変化が有る分散ネットワークでのプロセス間相互作用のための分散アルゴリズム設計手法の研究を継続する. 3年目からは, 大規模センサネットワーク向け自己安定分散アルゴリズム実行基盤, 障害に強いモバイルエージェントアルゴリズム設計手法, プロセス間同期機構の理論的枠組の研究を行なう.
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Research Products
(3 results)