2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
増田 澄男 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80173748)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルゴリズム / グラフ理論 / 描画 |
Research Abstract |
階層グラフの自動描画アルゴリズムに関して,これまで非常に多くの研究が行われてきている.従来の研究のほとんどは直線描画(隣接する階層の頂点間を結ぶ辺を直線で描く描画)を求めるものであったが,グラフの頂点数や辺数が多くなると,直線描画では辺の交差数が多くなりすぎ,非常に見づらくなることがある.本研究の目的は,複雑な階層グラフであっても明確な直交描画(辺を垂直・水平線分からなる経路として描く描画)を求め得るアルゴリズムを開発することである. 本研究では,階層グラフの直交描画アルゴリズムの手順として,以下のようなものを考えている.(ステップ1)階層をまたぐ各辺上にダミー頂点を設け,共有化処理を行う.(ステップ2)辺の集合を高階辺に分割する.(ステップ3)各階層上の頂点(ダミー頂点を含む)の配置順序を定める.(ステップ4)各階層における頂点の配置座標を定める.(ステップ5)辺を描き,直交描画を求める. 平成24年度は,主にステップ2, 5の検討を行った.ステップ2に関しては,連続する2階層のそれぞれについて,それらの間の辺の集合をいくつかの部分集合に分割し,各部分集合に対して高階辺を作成する簡単な方法を作成した.この方法は,各部分集合の辺の本数をできるだけ多くすることによって,最終的に求める直交描画中の辺交差数を少なくすることを意図したものである.ステップ5に関しては,各高階辺を構成する水平・垂直線分の配置を求める問題を,辺に重みを付けたある有向グラフの最小帰還辺集合のうち,辺の重みの和が最大のものを求める問題として定式化し,それに対する発見的手法を提案した.この方法により,辺交差数が少ない直交描画を得ることが可能となった.さらに平成24年度は,ステップ1に関しても,我々が既に開発していた方法を改良し,ダミー頂点をより少なくする方法を開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,階層グラフの直交描画アルゴリズムとして,ステップ1~5からなるものを考えている.交付申請書では,平成24年度の研究実施計画を,ステップ2及び5の検討を行い,ステップ1の研究を始めることとしていた.「研究実績の概要」で述べたように,平成24年度はこの実施計画どおりの研究実績をあげることができている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,平成24年度に開発したステップ1, 2,5のアルゴリズムの見直しも行っていくが,基本的に,当初の研究計画どおり研究を進めていく予定である.具体的に述べると,平成25年度は,主にステップ4のアルゴリズムの設計を行う.このステップに関しては,まず直交描画中の水平線分の長さの総和が最小となるように頂点座標を決定するアルゴリズムを作成し,その後,最終的に求める直交描画の辺交差数をより少なくすることを意図した改良を行っていく予定である.最終年度である平成26年度には,ステップ3のアルゴリズムを開発する.ステップ4以降を実行したときに辺交差数が少なくなり,かつ線分の混雑を回避できるような頂点順序を求めるために,ステップ3で最適化すべき目的関数をどうすべきかについてまず検討し,その最適化問題に対する有効なアルゴリズムの設計を行う予定である.そして,得られたアルゴリズムを他のステップのアルゴリズムと組合せ,評価実験を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(4 results)