2012 Fiscal Year Research-status Report
共同協調作業を支援する分散モバイルプラットフォームの研究ー非集中型アプローチ
Project/Area Number |
24500045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
中本 幸一 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (70382273)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 共同協調作業支援ミドルウェア |
Research Abstract |
平成24年度は,以下の研究項目を実施した. (1)共同協調作業支援ミドルウェアのAPI研究開発:コンテントベース出版・購買モデルをベースとして,共同協調作業を支援するアプリケーションプログラムの開発を容易にするミドルウェアのAPIを研究し開発する.必要とされる機能のうち,データオブジェクトの登録と利用者の指定した条件(コンテンツベース出版・購買モデルでは購買条件と呼ぶ)にあったグループ作業スペース内や共有作業スペース内のデータオブジェクトの検索(出版・購買モデルではマッチングと呼ぶ)・受信するために必要な機能を研究した.具体的には,リモートにあるデータオブジェクトのオペレーション実行は,Androidのプロセス間通信機能であるバインド,コールバック,インテントをモバイルデバイス間通信に拡張する形で実現を行った.さらに,共同協調作業支援ミドルウェアのAPI設計の参考のために,MicrosoftのWinodws Communcation Foundation を利用した広域分散システムの試作を行った. (2)モバイルデバイスが作業途中でネットワークからの離脱,あるいは参加があった場合の異常事象を検知するための前段階として,オフィスワークでのユーザ操作を対象とした異常検知の手法を研究した. (3)平成25年度には,共同協調作業支援ミドルウェアの適用領域として,人の活動だけでなく,自動車間の連携システムやセンサーネットワークを考えている.このため,自動車のネットワーク化の世界最大の会議であるITS World Congressに出席して,その標準化動向を調査した.また,センサーネットワークで共同協調作業支援ミドルウェアを提供するには低消費電力でセンサーノードのソフトウェアを実行させることが必要であり,そのための基本アルゴリズムを研究した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同協調作業支援ミドルウェアの基盤部分をAndroidのプロセス間通信機能であるバインド,コールバック,インテントをモバイルデバイス間通信に拡張する形で実現を行い,国際会議IEEE 2012 Symposia and Workshops on Ubiquitous, Autonomic and Trusted Computingで発表した(査読あり).また,当該ミドルウェアの適用領域を自動車・インフラストラクチャ・クラウドの統合ネットワーク環境やセンサーネットワークへの適用拡大を視野にそこでまず必要とされるセンサーノードソフトウェアの開発環境であるCPUシミュレータを開発,および低消費電力ソフトウェア技術を考案し,前者は第11回情報科学技術フォーラムで口頭発表,後者は電子情報通信学会論文誌に論文投稿した(査読あり.受理され現在印刷中).
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Strategy for Future Research Activity |
共同協調作業支援ミドルウェアの適用領域として,当初人の集団での共同作業を支援することを念頭においていた.しかしながら,研究を進めるにつれて,次の2点が分かってきた.1)データベース技術の一領域として注目されているデータストリーム技術をベースに研究を進めるのが効率的.2)自動車・インフラ・クラウドの統合ネットワーク環境やセンサーネットワークも有力な研究対象領域であること.今後はこれらの領域も研究対象に入れて,研究を進める考えである.具体的には,自動車やセンサーノードなどの組み込み領域において扱うデータの特質,リアルタイム性,信頼度などを考慮に入れたミドルウェアアーキテクチャを研究する.具体的には1)データストリーム技術を省資源でリアルタイム特性のある組込みシステムで実現するためのアーキテクチャを検討し,試作・評価する.2)1)のデータストリームをベースに共同協調型ミドルウェアを研究・構築する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じたのは上述したように,平成24年度に研究領域の拡大のための調査研究を行った結果,研究成果の国際会議での発表に時間を要したためである.平成25年度の研究費は,センサーノードなどの実験評価機材・装置の購入,国際会議(2箇所以上)での研究発表に使用する予定である.
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Research Products
(5 results)