2013 Fiscal Year Research-status Report
共同協調作業を支援する分散モバイルプラットフォームの研究ー非集中型アプローチ
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24500045
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
中本 幸一 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (70382273)
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Keywords | 共同協調作業支援ミドルウ ェア |
Research Abstract |
平成25年度には,共同協調作業支援ミドルウェアの適用領域として,人の活動だけでなく,自動車間の連携システムやセンサーネットワークを考え,以下の研究項目を実施した. (1)自動車間の協調連携システムにおいて,自動車内,自動車間のセンサーデータをストリームデータとして扱い,これを処理して,利用者に情報提供するミドルウェアの試作をAndroidデバイスを使って行った.具体的には,自動車内,自動車間のセンサーデータをストリームデータを扱う車載データストリーム管理eDSMSを利用して,このストリームデータをAndroid側に取り込み,SQL-likeなクエリ言語でストリームデータから合致したデータを抽出し,これをJavaのクラスライブラリでアクセスする機構を試作した.提案時のコンテンツベース出版・購買モデルと対応させると,データストリームシステムへの入力が出版,クエリ言語での問い合わせが利用者の指定した条件(コンテンツベース出版・購買モデルでは購買条件と呼ぶ),クエリに合致したデータのデータストリームシステムからの出力が購買に対応する. (2)センサーネットワークで共同協調作業支援ミドルウェアを提供するには低消費電力でセンサーネットワークを動作させることが必要であり,そのためのルーティングアルゴズムを研究した.具体的にはセンサーノードにおいてセンサーをずらして活性化することによりセンサーノードの電池寿命を長期化させるスケジューリングアルゴリズム,センサーネットワークにおいて,無線通信電力が最小になるルーティングアルゴリズム,エネルギーホールが発生しそうになった場合に,ノードの電池残量を考慮してルーティングを変更するアルゴリズムを考案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自動車間の協調連携システムにおいて,自動車内,自動車間のセンサーデータをストリームデータとして扱うデータストリームミドルウェアを試作し,国際会議2013 IEEE 10th International Conference on Ubiquitous Intelligence & Computing誌( 査読あり)や情報処理学会組込みシステム研究会他で計4回学会発表を行った. また,センサーネットワークで共同協調作業支援ミドルウェアを提供するための低消費電力スケジューリングアルゴリズムやルーティングアルゴズムを電子情報通信学会論文誌( 査読あり)や1st IEEE International Conference on Cyber-Physical Systems, Networks and Applications誌(査読あり)他で計3回発表した.
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Strategy for Future Research Activity |
共同協調作業支援ミドルウェアの適用領域として,当初,人の集団での共同作業を支援することを念頭においていた.しかしながら,研究を進めるにつれて,次の2点が分かり,平成25年度はこれらの技術領域に拡大して研究を行った.1)データベース技術の一領域として注目されているデータストリーム技術をベース研究を進めるのが効率的.2)自動車・インフラ・クラウドの統合ネットワーク環境やセンサーネットワークも有力な研究対象領域であること. 平成26年度も平成25年度に引き続き,人,自動車やセンサーノードなど対象とした領域において扱うデータを協調利用するミドルウェアアーキテクチャを研究する.具体的には1)平成25年度に試作したAndroidデバイスを利用したデータストリーム機構を,データ定義の容易性など実社会での適用が容易になるよう機能拡張を行う.2)技術を省資源でリアルタイム特性のある組込みシステムで実現するためのアーキテクチャを検討し,試作・評価する.3)センサーネットワークで共同協調作業支援ミドルウェアを提供するための低消費電力でセンサーネットワークを動作させることが必要であり,そのためのルーティングアルゴズムを向上させる研究を行う. さらに,ネットワークからの離脱,あるいは参加があった場合の異常事象を検知する方法,広域な分散・クラウド環境で適用するのための基礎実験を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
少額ながら次年度使用額が生じたのは国際会議投稿論文の校正量が当初予定よりも少なくなったからである. 平成26年度の研究費は,論文誌への掲載料,国際会議(2箇所以上)での研究発表に使用する予定である.
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Research Products
(8 results)