2012 Fiscal Year Research-status Report
ホログラフィー技術を用いた三次元流体速度場及び形状解析専用計算機システムの構築
Project/Area Number |
24500056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
増田 信之 長岡技術科学大学, 工学部, 特任准教授 (60323333)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ハイパフォーマンスコンピューティング / 可視化 / 専用計算機 |
Research Abstract |
現在,様々な分野で流体の三次元速度場の計測と三次元物体の形状解析が必要とされてきている.特に生体内の物質を輸送する血液の動きと赤血球などの形状を計測することは,生体内の物質の輸送機構を解明するために非常に重要なことである.本研究では,流体速度場可視化の技術であるPTV(Particle Tracking Velocimetory)にデジタルホログラフィーを応用したDHPTV(Digital Holographic PTV)を支援する三次元空間再生用専用計算機システムの構築し,それを三次元流体速度場解析及び三次元物体の形状解析に応用し,上記のような問題を解明することを最終的な目標としている. 平成24年度においては,ホログラムからの三次元空間の再生計算の並列化について検証を行った.再生空間を再生面の集まりとして,扱う場合は,その一つの面を一つの計算ユニットに担当させることで,容易に並列計算を行うことが出来.そこで,FPGA評価ボードを用いて,FPGA内に複数の計算回路を実装し並列計算を行うことを検証した.また,FPGAの変更により,FPGA一個あたりの速度を現在の約3.0倍の高速化ができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホログラムからの三次元空間の再生計算の並列化について検証をソフトウェアとハードウェアの両面から検証を行うことが出来た.また,ハードウェアでは,並列計算で共通に使用される部分を一つにして共有することで,複数の計算用パイプラインを実装出来るようになった.さらに,FPGAを変更することで,並列化の度合いと,動作周波数を向上させることが出来た.さらに,2枚の評価ボードを使用しての並列計算を行うことが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
専用計算ボードの並列化のため制御するソフトウェアの改良や新FPGAボード設計のための準備を行う.特に,ソフトウェアに関しては,並列化が進むと通信時間が高速化の妨げになるため,データの通信と計算が同時に行われるような制御を行うようなものにする必要がある.また,専用計算ボードにおいても,通信と計算が同時に行えるように,一部制御部を変更する必要があるため,その部分の再設計を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の結果を元に,専用計算機用新ボードの設計を行う.ここでは,一枚の専用計算機ボードに二個の計算用FPGAを搭載し,それぞれのFPGAには一個の外部RAMユニットを接続する予定である.専用計算機ボードの設計は,専用のCADを用いて行い,専用計算機ボード上に実装する電子部品の配線情報だけを作成し,あとは基板作成業者に発注する予定である.その後作成された専用計算機ボードを用いて,平成24年度に作成した計算回路を実装し,性能の評価を行う.この専用計算機ボードでは,計算パイプラインを四本搭載する予定なので,現在のシステムに対して,1ボードあたり約3倍の高速化が期待される. また,一台のPCに二枚の専用計算機ボードを搭載し,並列計算による高速化の検証を行う.並列の仕方は前述したとおり,再生面をそれぞれの計算FPGAに割り当てて行う.ここでは,計算結果の転送と計算時間の割合が期待したものになっているかも検証する. 並列に計算できる再生面の数は16面であるので,FPGAが計算を次の面の計算を行っているうちに計算結果の通信を終わらせることが出来る.このことにより,通信時間がボトルネックにならないことがわかる. さらに,二枚の専用計算機ボードを搭載したPC,四台と制御用PC(Host PC)一台の専用計算機クラスタシステムを構築する.PCクラスタシステムの制御にはMPI(Message Passing Interface)を使用する.このシステムでは,専用計算機ボードが八枚,計算用FPGAが十六個となり,計算用パイプラインが64個並列に動作することになる.ここでは,まず,それぞれの計算パイプラインが担当している再生面の計算を正確に行っているかを,検証する.
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