2015 Fiscal Year Annual Research Report
制御フローグラフを用いた非同期式パイプラインの最適設計法
Project/Area Number |
24500065
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
籠谷 裕人 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (50271060)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非同期式回路 / パイプライン / 簡単化 / 制御フローグラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では、制御フローグラフを簡単化するために必要な、制御フローグラフの等価性判定のための高速化アルゴリズムの正当性を詳細に検討し実装した。本アルゴリズムは、制御フローグラフにおける基本操作の発火の因果関係をグラフとして表現することにより、その有限な部分グラフどうしが一致すれっば制御フローグラフが等価であることを示すものである。従来の、オートマトンを利用した等価性判定アルゴリズムに比べ、計算量の上界と典型値が大幅に減少していることも合わせて示した。また、実装したアルゴリズムを用いて、いくつかのランダムな入力仕様に適用したところ、必要な因果関係グラフのサイズが想定どおりに十分小さいことが判明した。
研究期間全体としては、並列性を記述していない制御フローグラフの並列性を抽出するパイプライン化アルゴリズムの開発、その簡単化アルゴリズムの開発、簡単化のための等価性判定アルゴリズムの改良を行い、また、制御フローグラフの各要素と有向辺を回路ブロックと配線に置換することで非同期式パイプライン制御回路が合成できることを示している。これらの成果により、効率的な非同期式パイプライン制御回路を合成するための道筋を確立した。
他方で、研究実施計画では、現実的な遅延仮定を採用することによるさらなる回路削減方法の開発を予定していたが、簡単化アルゴリズム開発の遅れからこれに取り組むことができておらず、今後の課題である。
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Research Products
(1 results)