2014 Fiscal Year Annual Research Report
並列言語CAFプログラム向け通信隠蔽技術の研究開発
Project/Area Number |
24500068
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南里 豪志 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (70284578)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非ブロッキング集団通信 / 高性能計算 / 通信隠蔽 / RDMA |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず、昨年度開発した、集団通信単位でスケジューリングを行う非ブロッキング集団通信について、詳細に性能解析を行った。その結果、従来の集団通信内部の個々の通信を個別にスケジューリングする方法だけでなく、我々の提案手法であっても、集団通信自体のオーバヘッドが大きく、十分な通信隠蔽効果が得られない場合が多いことが判明した。そこで、集団通信内の CPUの負荷を低減するため、RDMA(Remote Direct Memory Access)機能を活用した集団通信の実装に取り組んだ。RDMAは、従来の集団通信に用いられていたメッセージパッシング方式と異なり、送信側のみ、もしくは受信側のみが発行する通信命令でデータが転送される。そのため、片方の CPUは通信以外の処理を進めることが可能となる。この機能は、近年用いられている高性能インターコネクトの殆どで採用されているため、この手法は、様々な並列計算機で応用できる技術である。 そこで、RDMAを用いた通信について評価を行った結果、実際の通信以外に、RDMAによる通信のためのメモリ領域の登録と、遠隔メモリ領域のアドレス取得が必要であり、それらが新たなオーバヘッドとして問題となることがわかった。そこで、それらの処理を自前に行っておき、実際の通信では、それを再利用する、準備型の集団通信インタフェースが、非ブロッキング集団通信において有効であることがわかった。この手法は、同じパターンの集団通信を繰り返し行うプログラムで、高い性能が期待できる。特に、CAFの用途として一般的な科学技術計算では、計算領域をプロセスに分担させて並列計算し、最後にそれらの領域の計算結果を取りまとめる、という計算を繰り返して行うものが多いため、この実装により高い効果が得られると考えられる。
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Research Products
(2 results)