2014 Fiscal Year Annual Research Report
複数リンクで構成されるサイト内のIPv6アドレス自動割当
Project/Area Number |
24500077
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大平 健司 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (40515326)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インターネット高度化 / IPv6 / アドレス割当 / 自動化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度までに設計・構築したネットワークでは、各ルータのルータIDは管理者により管理され衝突なく与えられるものとしていた。平成26年度は、事前に設定投入すべき項目を更に減らす試みとして、ルータIDの値についても、衝突可能性を抑えた上で自動生成する手法の検討を行った。 これにより、/56のIPv6アドレス空間を/64単位に分割することを典型例と考えた場合、ルータ数は256程度を想定すれば十分であり、ルータID空間として24ビット用意しそこから各ルータのルータIDを割り当てれば、1組以上のルータID衝突が含まれる確率は約0.2%となる(ランダムな割当の場合)ことを明らかにした。また、各ルータが広告するホスト経路にルータに含まれるネットワークインタフェースのMACアドレス(48ビット、重複しないことが仮定される)情報を含めることにより、ルータIDの重複があった場合に検出できることも明らかにした。 研究期間全体を通じて、複数リンクで構成されるサイト内のIPv6アドレス自動割当の問題について、IPv6経路制御に広く用いられているOSPFv3プロトコルをベースとした、重複のないアドレス割当方式を確立できた。技術的な面での本研究の大きな貢献は、1) ネットワーク全体で使用可能なアドレス範囲を示すためのホスト経路情報(128ビット)をどのように構成するかについての指針を与えた点、2) 各ルータが重複のないIPv6アドレスを設定するためにどのような処理を行うかの指針を与えた点、3) ルータIDの重複があった場合には検出可能とするための指針を与えた点、である。 これにより、IPv6導入において手動での管理設定を要する項目を削減でき、IPv6の導入障壁を下げることに貢献できたものと考える。
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