2012 Fiscal Year Research-status Report
P2PネットワークとDTNによる分散Twitterサービスの実現
Project/Area Number |
24500089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
安倍 広多 大阪市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (40291603)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | P2Pネットワーク / DTN / Twitter |
Research Abstract |
2012年度は以下の研究・開発を行った. ■P2P Twitterでは,メッセージの配信には構造化オーバーレイネットワークの1つであるSkip Graph上で,レンジクエリ(範囲検索)を用いたアプリケーションレベルマルチキャストを用いて行う予定であるが,既存のレンジクエリアルゴリズムは故障ノードの存在を想定していないため,これを考慮したレンジクエリアルゴリズムを考案し,P2P基盤ソフトウェアPIAX上に実装した.提案アルゴリズムは,レンジクエリ実行中に参加ノードが突然離脱・故障してもレンジクエリの実行を継続し,また同時にネットワークトポロジを修復できる.これによりSkip Graph上でのレンジクエリを安定して実行可能となった. ■Skip graphに対して,ノードの挿入時間と検索時間の双方を改善する手法を考案した.Skip graphは複数レベルの双方向連結リストから構成されるが,提案手法では(1)各連結リストにおいて左右のポインタに加え,左方向の複数のノードへのポインタを保持する,(2)各レベルの経路表に上位レベルの連結リストの情報も格納する,といった技法を用いる.提案手法はレンジクエリの高速化にも効果がある.これにより,多数のフォロアーに対するメッセージの配送が高速化できる. ■構造化P2Pネットワークにおいて,検索頻度が高いノードを高速に検索するために,検索頻度が高いノードに対しショートカットリンクを生成する手法を考案・評価した.提案手法はP2Pネットワーク全体に関する大域的な情報(単位時間あたりの平均クエリ数など)を必要とせず,また既存の手法よりもショートカット生成のコストが低い.これにより,P2P Twitterにおいて人気のあるアカウントのメッセージの取得処理を高速化できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ツイートの複製維持手法については,方式の検討は終わっているが,実装は未完了である.これは,実装にかける時間が確保できなかったことが原因である. ツイートの配送中に,途中のノードが離脱してもすべてのフォロアーにメッセージを確実に配送する手法については,検討,実装を完了している. 現実のインターネットに即した構造化P2Pネットワークの検討と実装,およびツイート検索機能の実装に関しては,進捗が遅れている.これは,本研究で用いるP2P基盤ソフトウェアPIAXの次期バージョンにおいて,ネットワークを抽象化するレイヤに大幅な変更が入る予定であり,これがある程度安定化してから実装を進めたほうが手戻りが少ないだろうと判断したためである.なお,研究代表者も,このPIAXの抽象化レイヤの変更に積極的に関与している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,時間的制約から思うようにシステムの実装を進めることができなかった.今年度は実装に関して学生アルバイトを活用することを検討している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学生アルバイトへの謝金の一部として使用する予定である.
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