2013 Fiscal Year Research-status Report
ネットワークコーディングにおける符号化ノードの最適配置に関する研究
Project/Area Number |
24500098
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中里 秀則 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30329156)
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Keywords | トラヒックエンジニアリング / ネットワークコーディング / BitTorrent |
Research Abstract |
平成25年度は3つの課題について検討を行った。 一つ目は、大規模ネットワークにおいて符号化ノードの設置位置を決定する手法の検討である。平成24年度の検討により、符号化ノードの配置位置を決定する要因となるのが、ノードを通過するデータ量と通過する経路の数であることがわかった。この結果を基に、フロー中心性や媒介中心性という評価尺度を利用した符号化ノード配置方法を提案したが、その手法を大規模なネットワークに適用し、その有効性を評価した。これらの手法は、準最適を求める経験則的な手法である。一方、さらに最適な配置を求めるため、データ転送効率低下の原因となるデータの重複した転送を解析的に評価し、データ転送効率低下の割合を直接求め、その低下に寄与する割合の大きいノードで符号化を行うという符号化ノード配置手法も提案し、その優れた有効性を確認した。ただし、この最適手法は、計算複雑度が高く、ネットワーク規模が拡大すると計算時間が増大する割合も大きいこともわかった。最適手法、およびフロー中心性を使った符号化ノード配置手法を用いることにより、全体の数%のノードで符号化するだけで、すべてのノードで符号化を行ったのと近いデータ転送効率が実現できることも確認した。 二つ目の課題として、大規模ネットワークにおける最適符号化パラメータの設定方法について検討を行った。検討の結果、符号化パラメ-タの最適設定は、各ノードにおける局所的な条件で概ね決定できることがわかった。これを利用し、各ノード毎に、最適な符号化パラメ-タを設定する手法を検討した。 最後の課題として、コンテンツ指向ネットワークへのネットワークコーディングの適用に係わる検討に着手した。コンテンツ指向ネットワークで利用することができる、ノードでのデータキャッシュを符号化と組み合わせることについての基礎的な検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25、26年度で、大規模なネットワークにおける最適/準最適な符号化ノード配置のための経験則アルゴリズムおよび符号化パラメ-タ設定方法の検討を行う予定になっていたが、既に媒介中心性やフロー中心性を利用することにより、大規模なネットワークに対しても適用可能な準最適アルゴリズムを提案し、評価することができている。また、最適な符号化ノード配置アルゴリズムについても既に提案と評価を行った。以上から、符号化ノード配置問題については、ほぼ検討を完了した。 一方、符号化パラメータ設定方法についても概ね見通しがついており、平成26年度末までには、検討を完了できる見込みである。 更に、計画した課題以外に、符号化を実施するデータを適切に選択する手法の提案と評価、およびコンテンツ指向ネットワークへのネットワークコーディングの活用についての検討も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、大規模ネットワークにおける符号化パラメ-タ設定方法についての研究を継続する。最適なパラメータ設定方法ついて、概ね手法の見通しがついており、平成26年度末までには、検討を完了できる見込みである。 計画より研究の進捗が良いため、当初計画に加えて、現在世界的に研究が行われているコンテンツ指向ネットワークにネットワークコーディングを適用した場合の有効性の検討を継続するとともに、本研究成果の他の活用領域についても探っていく計画である。これらについては、研究の完了は難しいが、今後の研究に継続していけるテーマ設定までを達成する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度も学会発表が多く、物品購入額を削減したために、当初計画と差異が出た。 当初計画にはなかったが、初年度購入予定を見送ったため、使用しているPCが古くなり更新が必要なため、次年度はその購入を行い、今年度の差異分はその購入に充てる。
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Research Products
(4 results)