2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西村 俊和 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (00273483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 喬彦 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (00268161)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 小規模セル / セル連結 / PON / 仮想シングルセル |
Research Abstract |
平成24年度は基本検討として無線LAN仕様を仮想シングルセルに適用する検討を行った。 まず、仮想シングルセル内でのパケット転送多重制御法として、コンテンション方式で仮想シングルセルを構成する方式とポーリング法で仮想シングルセルを構成する方式を比較し、ポーリング方式が優れていることが判明した。なお、無線LANでポーリング方式を採用するとCP区間、CFP区間が必要であるが、CP区間を設けるとポーリング方式を前提とする仮想シングルセル制御方式では非効率となる。このため、CP区間を廃止するが、ポーリング方式ではポーリング前にネットワークに登録するためのコンテンションアクセスが必要である。これには以前に考案したアノニマスポーリングアクセスが有効であることがわかった。 次に無線LANプロトコルを仮想シングルセルに適用する検討を行った。無線LANでは接続ノードが平等に自律的にアクセスするが、仮想シングルセルでは無線基地局が主導して移動端末を制御する。無線LANではSIFS(Short Inter Frame Space), DIFS(Distributed Inter-Frame Space), PIFS(Point Coordination Function Space)などスペース長で優先制御するが、仮想シングルセルではすべて最短のSIFSに統一できることが判明した。また、仮想シングルセル内で複数セルが連携して動作するため、複数セルが同期して動作する必要があるという前提で検討を続けたが、シーケンス管理を端末に依存する方式をとると仮想シングルセル内の複数セルが非同期、独立で動作できることを見いだした。この結果、各端末が同期する必要がなく、端末ごとのパケット転送速度が大幅に向上することを示した。 また、移動支援を行う移動通信網オフロードネットワークとして本成果を用いる研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンテンション方式は随時性が高く、IEEE802.11シリーズのような既存の無線LANなどの通信に用いられる方法であるので、パケット転送プロトコルとしてはこちらが有望であるとの予測をもとに研究を進めていた。ところが、既存の地上網としてPON(Passive Optical Network)を用いようとした場合、コンテンション方式では論理マクロセル内でのセル間協調のためにTDM(時分割多重)方式を用いたPON上り回線を多用し、PONの有効性をうまく利用できないことが明らかとなった(このこと自体は、本研究の大きな成果の一つである)。今後は、PONの放送型下り回線の有効利用が可能なポーリング方式に着目し、そのパケット転送プロトコルと地上網ネットワーク機能の研究を進めていくことにする。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は以下の検討を行う。 (1)24年度は無線LANベースの正常時の動作で検討を終えたので25年度は異常時などの例外処理へ検討を深める。セルの重複、無線空乏などの異常状況への対処法、また、安定な無線領域での多重ポーリングからシングルポーリングへの移行、さらにアクセスポイントの瞬間的な移行ではハンドオーバーとしない制御法などを検討する。 (2)無線LANベースの検討を進めたが、オフロードネットとして移動通信網仕様の仮想シングルセル構成の検討を開始する。具体的には3G-LTE仕様を仮想シングルセルに適用する検討を進める (3)無線インタフェースを中心に検討を進めたが、基地局間結合用のPON(Passive Optical Network)適用の検討を行う。データパケットとハンドオーバー制御などの制御パケットの存在に対し、制御パケットの実時間性を確保する方式の検討を進める。 全体として机上検討を中心とするが、コンピュータによるネットワークシミュレーションを開始する。このためシミュレーション用基礎データの収集をパケットキャプチャ方式で行う。また、シミュレーションソフトウエアとしてはNS2を想定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年3月7日に沖縄残波岬ロイヤルホテルにて開催された電子情報通信学会情報ネットワーク研究会で研究発表(IN2012-164)を行った際、本研究会が同学会第29回ネットワークシステム・情報ネットワーク研究ワークショップ本会議の併設研究会であることに直前まで気が付かないまま研究代表者が研究費執行を進めた結果、本会議参加費相当額の赤字が発生することが判明したため、一部の執行を中断したものである。 国際会議への投稿を行っており、申請書で企画した通り、研究発表への使用が中心となる。
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Research Products
(6 results)