2012 Fiscal Year Research-status Report
広範囲の自由視点移動を可能とするビデオベースCG技術の開発
Project/Area Number |
24500103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
藤本 忠博 岩手大学, 工学部, 准教授 (00312512)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ビデオベースCG / イメージベースCG / パノラマ映像 / 自由視点映像 / ネットワーク / PCクラスタ / ホモグラフィ |
Research Abstract |
本研究では、3次元空間上の広範囲で自由度の高い自由視点移動を可能とする新たなビデオベースCG技術の開発を目的とする。本技術では、数台のカメラを組み合わせたカメラクラスタを複数個用意して3次元空間上に配置し、それらを接続したカメラクラスタネットワークを構築する。各カメラクラスタが生成する視野360度の全周パノラマ映像を相互に融合し、3次元空間上を広範囲に移動する任意の自由視点位置で360度の視野を実現するシームレスな自由視点映像をリアルタイムで生成する。 平成24年度は「1.カメラクラスタによる全周パノラマ映像の生成法の開発」を目的とした。 (1)カメラクラスタの開発:カメラクラスタの構成を検討し、水平視野約120度の広角レンズを装着した8台のデジタルビデオカメラを水平面上で外向きに放射状に配置することとし、この配置を実現する設置台を金属フレームで製作してカメラクラスタを実現した。全てのカメラを1台のPCに接続してリアルタイムでパノラマ合成を行うこととした。 (2)複数のカメラ映像の重ね合わせ方法の検討:カメラクラスタを構成する異なるカメラの映像をパノラマ映像として正確に重ね合わせる方法を検討し、平面に対するホモグラフィ行列を利用することとした。まず、OpenCVライブラリを利用して開発したプログラムにより、隣接カメラ間の共通特徴点を効率的に得ることで、ホモグラフィ行列を算出した。そして、その行列を用いて、視線方向に依存して利用するカメラとホモグラフィ行列を切り替えることで、リアルタイムでパノラマ映像を合成するプログラムを開発した。 (3)複数のカメラ映像から全周パノラマ映像を合成する方法の検討:シーン中の同じ部分を映した映像でも、カメラごとに輝度やコントラストの特性が異なるため、画素値のブレンドを行うことでパノラマ映像の品質を高める工夫をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度はカメラクラスタ単体の開発を目的としており、基本的な開発はおおむね実現できたと思われる。しかし、一方で、当初計画していた平面以外の円柱面や球面に対するホモグラフィ行列や、カメラ校正を利用する方法などの検討は不十分であった。一方、その開発過程で幾つかの問題が発見され、それらは新たな課題として平成25年度以降に取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度はカメラクラスタ単体の基本的な開発を行ったが、その開発過程で幾つかの問題が発見された。まずは、映像中に映る全ての物体が同一平面上にあると仮定する平面に対するホモグラフィ行列では、奥行きの異なる多くの物体が映像中に存在する場合、合成結果が不自然になる。また、視野360度の全周パノラマ映像の実現のためには、視線方向の移動に追従して利用するカメラとホモグラフィ行列をスムーズに切り替えていく必要がある。これらの解決は平成25年度以降の課題とする。 当初、「研究実績の概要」に記した平成24年度の実施内容である「1.カメラクラスタによる全周パノラマ映像の生成法の開発」に引き続き、平成25年度は「2.全周パノラマ映像からの自由視点映像の生成法の開発」を目的とし、複数のカメラクラスタのPCをネットワーク接続してPCクラスタを構築することで、カメラクラスタネットワークを実現することを計画していた。しかし、上記のカメラクラスタ単体に関する新たな問題の解決を優先させ、その後、適宜、カメラクラスタネットワークの開発を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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