2012 Fiscal Year Research-status Report
位置情報サービスの為の各種検索の高速化に関する研究
Project/Area Number |
24500107
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
大沢 裕 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50152111)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 位置情報サービス / 道路網距離 / 高度交通システム / 地理情報システム / 空間データベース |
Research Abstract |
当初予定した平成24年度の計画は,次の2点の達成であった.(1)IERの枠組みに依拠し検証にSSMTA*を用いた各種検索方式の高速化.(2)隣接リストの効率化・アクセスの高速化. まず,(1)について,次の各種検索方式について研究を行った.(a)kNN検索,(b)ANN検索,(c)旅行計画.(a)については,SSMTA*アルゴリズムを直接適用することにより,従来提案されている中で最も効率的と思われるLBCに対してkの値が大きい時大幅な速度向上を達成している.この研究成果は,電子情報通信学会論文誌に投稿し,採録が決定している.(b)のANN検索(集約的最近傍検索)については,SSMTA*アルゴリズムを適用した2種類の方式を提案し,従来方式に比して大幅な速度向上を達成した.これに関しては,準備研究段階で提案した方式の更なる速度向上が達成できている.この成果は,データベースに関する国際会議で発表した.(c)に関しては,当初通常の隣接リストに対してSSMTA*を適用する方式で高速化を試みた.しかし,研究を進める中で,IERの枠組みによる方式が大幅な速度向上を達成可能なことを発見できた.まず,ユークリッド距離での旅行計画路を求めるアルゴリズムを開発し,その道路網距離での検証方式を改良した.本研究では,ユークリッド距離と道路網距離共に,従来方式の100倍以上の高速化を達成した.この成果は国際会議で発表した. (2)に関しては,LBSに適した道路網距離のマテリアライズ化方式の検討を行った.その結果,道路網をブロック分割してその中を局所的に距離のマテリアライズ化を行っておき,最適優先探索で最短路を求める方式を構築した.この成果に関しては,H25年度に国際会議で発表する予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定した研究計画は,「研究実績の概要」で述べた2点であったが,これらに対しては計画通りの研究成果を得ることができた.一方,次年度以降に計画していた(3)道路網距離のマテリアライズ化とIERの組み合わせによる検索方式の実現にも着手することができた.具体的には,LBSに適した道路網距離のマテリアライズ化として,道路網を多数のブロックに分割してそれぞれのブロック内を道路網距離のマテリアライズ化を行っておき,最適優先探索による最短路探索方式を創案し,それを実現した.LBSで必要となる半径50km程度の範囲を対象とした場合,2点間の道路網距離を従来のマテリアライズ化手法に比して遜色ない速度で求めることができ,かつマテリアライズ化されたデータ量を大幅に減少させることができた.この1部に関しては国際会議で採録が決定しており,H25年度に発表する予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,次の2点に焦点を当てて研究する. まず,マテリアライズ化された道路網距離を用いて最適優先探索により2点間の距離を決定する方式をベースとした方式を実験的に検討し,その適用範囲を拡大する.前年度の研究により,kNN検索に対しては,従来の階層的マテリアライズ化方式に比して同程度の高速さで2点間距離を決定でき,かつ大幅なデータ量削減を達成できている.これを旅行計画に有効に適用する方式を創案する. また,H24年度に着手したIERの枠組みによる旅行計画方式の更なる効率化を検討する.前年度の研究では,旅行計画の内最も単純なOSR(optimal sequenced route)検索を対象としたが,これをより一般的な旅行計画であるMSPRSに拡張する. 道路網距離の様に,2点間の距離を求めるために長い処理時間を要する空間(メトリック距離)の索引構造として,M-Treeが提案されている.道路網距離に対してM-treeを適用した場合,2点間の距離を求めるために大幅な処理時間を要することから,この方式は道路網距離に対してはあまり有効ではないと考えられてきた.しかし,道路網距離とマテリアライズ化方式とを組み合わせることにより,処理時間の問題が解消する.そこで,M-treeを索引構造として,LBSの為の各種検索アルゴリズムについて検討する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|