2013 Fiscal Year Research-status Report
自動車運転手危険回避支援用振動警告インタフェースのための振動・距離感覚モデル
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24500139
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 孝之 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (10282914)
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Keywords | ヒューマンインタフェース / 振動感覚 / 距離感覚提示 / 速度感覚提示 |
Research Abstract |
(1) 外部環境の変化と距離感覚・振動感覚の関係解明:前年度までに前方車両との距離感覚は自動車運転速度の変化によらないことを示した.前方車両の見た目の大きさによって視覚的な距離感覚が異なること,VAIによる振動刺激による触覚的な振動感覚には影響しないことを実験的に確認した.このことから,錯覚を生じるような場面でも,VAI-Cを用いることで前方車両の大きさによらず,正確な距離感覚を提示する手法を開発した.つまり,振動刺激による視覚アシストを実現した. (2) 移動物体との相対速度・距離情報提示:自動車運転においては,前方車両と接近,隔離することで前方車両との距離も時間的に変化する.このように相対速度をもつ移動物体との距離情報を提示するために,これまでに開発した相対振動感覚提示法を基に,相対速度感覚および距離感覚の同時提示を実現した.基準振動と提示振動との刺激強度の差分を利用して距離情報を提示し,かつその切替周期を制御することで相対速度の提示を実現した. (3) リストバンド型VAI-Cインタフェースの開発:自動車運転作業中にユーザがより的確に振動情報を把握できるようリストバンド型VAI-Cインタフェースを開発した. (4) 振動感覚順応モデルの構築:一定の振動刺激を与えた際の感覚の順応を数理モデル化した. 以上の成果を,英文誌2件,学術誌1件,国内会議3件で報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度目標とした2つの感覚提示手法を構築できた.まず自車速度および前方車両の見た目の大きさによる視覚的距離感覚の影響を明らかにし,振動刺激により正確な距離感覚を提示する手法が開発できた.運転環境やタスクの複雑さに対応した距離感覚提示手法について検討していく.また,前方車両との距離感覚だけでなく相対速度感覚を振動刺激により提示する手法を開発できた.
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 危険回避支援に最適な提示情報量の解明 従来のVAIでは連続的な距離情報を提示してきたが,ある程度に離散的な距離情報提示の方が運転手にとって危険を回避するために判断しやすくなると考えられる.そこで,危険回避支援に最適な距離情報の分解能について調べ,距離感覚離散化モデルを構築する. (2) 外部負荷による距離感覚モデルの影響とその補正 距離感覚離散化モデルは運転タスクの負荷や周囲状況の変化によって変動することも考えられる.そこで,交通量や運転速度が及ぼす影響を調べ,運転状況に最適な距離情報提示が可能なVAI-Cを実現する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に実験を実施し,そのデータをまとめるための消耗品を購入しており,実質的に次年度への繰り越しはない. 自動車運転手用振動インタフェースVAI-Cとして,より的確に使用者に振動刺激を提示することが可能な振動モータをステアリングに内蔵した振動デバイスを開発する. 実験被験者に対する実験謝金,研究成果を発表するために国内旅費,外国旅費,学術誌への掲載料として印刷製本費をそれぞれ計上する. 運転手の運転タスクに対する集中度を定量的に計測するための機材としてアイマークレコーダを借用するために機器使用料を計上する.
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