2013 Fiscal Year Research-status Report
マルチタッチスクリーン上での光ファイバセンサを用いたオブジェクト形状認識
Project/Area Number |
24500144
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
郷 健太郎 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (50282009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森澤 正之 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (30220049)
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Keywords | 形状認識 / 光ファイバ / タッチスクリーン |
Research Abstract |
本研究では,テーブルトップ型タッチスクリーン上に配置した物体の形状変化を検出する手法を構築する.物体に光ファイバセンサを組み入れることによって,赤外線とカメラによって実現されるマルチタッチスクリーン上で,テーブル側に機能的変更を加えることなく,物体の位置と形状変化を検出する.さらに同技術を拡張して,通常は検出不可能な,スクリーン上に置かれた物体の上でのタッチの有無を検出する.本研究では,これらの実現に必要な光ファイバセンサの機構と,複数のセンサの情報をテーブルを介してカメラに伝達するための仕組みを開発する.これらの技術によって,タッチスクリーンでの柔軟で新しいインタラクションを実現する.以上が本研究の目的である. 本研究では,研究期間を年度に応じて3フェーズに分けて,段階的に「マルチタッチスクリーン上での光ファイバセンサを用いたオブジェクト形状認識」の実現を目指す. 平成25年度には,初年度に開発したプラットフォームを活用した応用技術の開発を推進した.特に,タッチスクリーン上で操作対象として用いるオブジェクトの可能性を主として検討した.具体的には,初年度にアプリケーション用オブジェクトとして作成した紙製オブジェクトのコンセプトを拡張して,紙によるフレキシブルなオブジェクトの折りの可能性を模索した.Water Bombと呼ばれる平織りパターンを活用してフレキシブルオブジェクトのモックアップ作成し,これを使ったジェスチャ操作の生成実験を行った.また,本コンセプトのテーブル形状への応用を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度にはテーブル型タッチスクリーンを対象にその上での物体の1.形状認識と2.タッチ検出を実現した.具体的には,光ファイバセンサを用いたオブジェクト形状認識機構の基本コンセプトを発展させて,赤外線照射とカメラによる認識によって実現されるテーブル型マルチタッチスクリーン上で,曲げとタッチを検出可能な光ファイバセンサを実現した.また,これらのセンサにおけるセンシング性能の評価を実施することができた.さらには,上記のセンサの応用として,テーブルを介して複数のセンサの情報をカメラに伝達するための仕組み(コード化)を実現し,音楽プレーヤーとしてのアプリケーションシステムを実現した.この成果に基づき平成25年度には,さらなる操作オブジェクトの検討を進めることができた.特に,折り紙の平織りパターンを使ったフレキシブルオブジェクトを作成して定量評価を行ない,さらにはテーブル形状への応用を検討できたことから,おおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる平成26年度には,平成25年度に開発を行ったフレキシブルな操作オブジェクト,及び,そのテーブル形状への発展も含めた応用技術について各種の検討を行っていく予定である. まず初年度に実現した,平面としてのテーブルトップとその上での物体形状の認識を基本コンセプトとして用いる.特にこの中核技術として実装したプラスチック光ファイバセンサを継続して活用する. 平成26年度には,この延長線上にある技術として,1.テーブルトップ形状・形態の変更,2.操作オブジェクトとしての光ファイバ利用を精緻化する予定である. まず1では,平面としてのテーブルトップではなく,柔軟なフレキシブル画面としてのタッチスクリーン操作を検討する.特に,タイル状にした表示面を複数組み合わせることによって,全体として形状変化をもたせるようなディスプレイ形状を試作する予定である.オーガニックなインタラクションの実現という意味でもこの領域の注目度と将来性は高く,形状変更が可能なディスプレイ表面と操作オブジェクトとのインタラクションを継続して検討したい. 次に2では,柔軟な操作オブジェクトとしての光ファイバ利用を詳細に検討する予定である.平成25年度に研究開発を行った,折り紙の平織りに基づくフレキシブルオブジェクトに光ファイバを組み込み,この形状変化についても検出する可能性を模索する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度まではおおむね計画通りに研究が進んでおり,前年度未使用額については最終年度の評価活動に集約するために準備したものである. 平成26年度には,これまでの成果の積極的な公開を行っていく予定である.具体的には,論文誌と国際会議,国内学会・研究会において成果の発表を行う.このために出張旅費が必要である. また,テーブルトップシステム,及び,センサ類の試作と評価のために,開発費用(タッチスクリーン組込み用PC,テーブルトップ・センサ構築部材)が必要である.実験システムのコーディング補助と実験データの収集,整理の作業には,大学院と学部の学生を短期雇用して研究活動の効率化を図る. ソフトウェア開発部分については,研究代表者所属組織で導入しているマイクロソフト・ドリームスパークから開発環境一式を利用したり,無料のツールを有効活用したりして対応する.以上のように,導入済みサービス等を再利用してコスト削減に努める.
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Research Products
(7 results)