2013 Fiscal Year Research-status Report
自律的なシステムとの原初的なインタラクションを通した協調作業への参与感の創出
Project/Area Number |
24500145
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
竹内 勇剛 静岡大学, 情報学研究科, 教授 (00333500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 和憲 岐阜大学, 工学部, 准教授 (30345798)
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Keywords | 運動主体感 / 自律性 / 意図認知 / エージェント / ロボット / 相互行為 |
Research Abstract |
高度化・複雑化していくシステムと人間との協調的・共生的な関係を実現するためには,自律性をもったロボットやエージェントという形でシステムが人間にとって社会的な存在としての役割を担うことが重要になってくる.しかし,人間がシステムの自律的な振る舞いに対してどのような条件で他者性を認知し,同時にどのような条件のもとでシステムの協調作業の相手として社会的に認知するかという問題は未だ解決していない.そこで本研究では,人間がシステムに対して他者性を認知する上での人間とシステムとの相互行為を解明し,システムとの社会的関係を形成して協調的な作業を実現するための相互行為モデルを構築・実証することを研究目的とする. 特に平成25年度は,前年度の実績を踏まえインタラクション環境を整備し,互いの存在に関する情報を一切遮断した中で,独立した2つの環境内に人間とロボット(Roomba)をそれぞれ配置し,相互の人間の動き(位置)をロボットに投影させる装置を作成し,ロボットの振る舞いを通して他者を認知する過程における相互行為の観察を行なった.その結果,他者性を認知するまでの過程において無自覚的な身体の相互行為が存在する可能性が示唆された.また他者性を認知する前提として,生物性の認知がどのような知覚構造のもとで行なわれているかを検証するために,二重振子の運動から感じられる生物性の知覚要因を探る実験を行なった.その結果,単振動や円運動などの周期的運動に対しては生物性を感じにくく,小さい円運動が大域的に移動するというように,規則的な運動をしながら大域的に移動するという二重構造が存在する運動,すなわち,規則性とランダムさが混在する運動に対しては高い生物性が知覚されることが分かった(寺田).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多少,当初予定していた課題に対する取り組みについては遅れているが,これは研究を進めていく過程で顕在化してきた新たな知見に対する検証を行なったためであり,最終的な進捗についてはほぼ目的に沿った形で勧められている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定に従って進めていく.すなわち,H25年度の成果から他者性を感じさせる相互行為モデルの構築を行なう(竹内+大学院生).さらにそのモデルを評価用ロボットに実装し(寺田),人間との協調的な相互行為が自然な環境で創発されることを実証実験を通して評価・検証する(竹内,寺田).
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Research Products
(8 results)