2014 Fiscal Year Annual Research Report
自律的なシステムとの原初的なインタラクションを通した協調作業への参与感の創出
Project/Area Number |
24500145
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
竹内 勇剛 静岡大学, 情報学研究科, 教授 (00333500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 和憲 岐阜大学, 工学部, 准教授 (30345798)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒューマンエージェントインタラクション / 他者認知 / 認知科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,人間がシステムに対して他者性を認知する上での人間とシステムとの相互行為を解明し,システムとの社会的関係を形成して協調的な作業を実現するための相互行為モデルを構築・実証することを研究目的とした. この研究目的のために,本研究では次の3点を人間の認知姿勢に基づき解明することを目指した.(1)システムの自律的な振る舞いに基づいて他者性が認知されるための,認知的要因を明らかにする.(2)(1)によって得られたシステムの他者性に対して,協調的に作業を行なうための相手として社会的に認知されるための,人間との相互行為過程と条件設定を明らかにする.(3)(1)と(2)で明らかになったシステムと人間との相互行為過程をモデル化し,エージェントに実装・検証することを通して,このモデルの妥当性と応用可能性を明らかにする. これらの取り組みの結果,次のことが明らかになった.まず(1)に関しては,人間は他者性を認知する段階において自覚を伴わない身体的レベルでのインタラクションを通して,対象をインタラクション可能な存在であると認定する段階を経た上で,相手がエージェンシーをもっているという仮説に基づくインタラクションを開始している段階性があることが明らかになった.そして(2)に関しては,相互の振る舞いの予期的調和と予測失敗の両方が相手を社会的存在として認知する上で必要であることがわかった.そして(3)に関しては,(1)と(2)で得られた知見に基づきモデルの検証実験を実施したところ,互いに相手に関して未知な存在である者同士であっても,両者が協調的な振る舞いを表出し合うことで,創造的な活動(1つの絵の描画や鬼ごっこ的な遊びなど)を創出することが観察された.この結果は,本研究で目指した目的を充足するものであり,有意義な研究実績を得たと考える.
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Research Products
(12 results)