2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代両耳補聴器のための身体動作を考慮した能動指向性制御の検討
Project/Area Number |
24500147
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
苣木 禎史 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (50284740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐川 毅 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (30160229)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 両耳補聴器 / 身体動作 / 頭部運動 / コミュニーケーションゾーン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,音源方向推定をし,推定した音源方向の音を強調する補聴器を高度化することが目的である。従来の両耳補聴器は,音が存在する方向を音響信号処理で推定し,その方向を強調する,もしくはユーザーの正面の音を提示する設計が主である。しかし,ユーザーは必ずしも音源の方向を正面として会話していているわけでもなく,頭部運動も伴う。よって,音響信号によって推定した方向やユーザーの正面のみをユーザーの望んでいる方向とすることは,違和感を感じさせる場面がある。そこで,本研究課題では,ユーザーの頭部運動を検出することにより,人が意識している空間領域を推定し,その領域の音響信号のみを強調するシステムの構築を目指す。システムは,両耳に装着したマイクロフォンとヘッドフォンの両耳補聴器に加え,頭部運動を検出するセンサーからなる。センサーは,左右いずれかの耳介付近に装着し,そのセンサーが加速度を検出し,頭部の回転角を推定する。被験者を用いて,設計した会話タスクに基づいて頭部運動による加速度および角速度のデータ収集を行い,頭部が運動中であるか否か,さらにはそれによる空間領域の推定を試みた。結果,センサーの固体差の補正関数を求め,さらには,3人から5人のグループディスカッションを模擬し,その際の頭部運動を解析し,その傾向を用いて,指向性制御方向の検討を行った。さらに,音源分離を行った際に,知覚している環境音を低減することは違和感を感じさせる。そのため,どの程度の雑音残留が,ターゲット音声を聴取する際に妨害とならないかを検討した。聴取実験を行い,SD法で評価した結果,環境雑音が30dBより小さくなると違和感を感じ始めることが明らかになった。
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