2012 Fiscal Year Research-status Report
五感情報の個性化に基づく環境融合型情報コミュニケ―ション法に関する研究
Project/Area Number |
24500148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
西野 浩明 大分大学, 工学部, 教授 (00274738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 和幸 大分大学, 学術情報拠点, 教授 (20174922)
賀川 経夫 大分大学, 工学部, 助教 (90253773)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒューマンインタフェース / 五感コミュニケーション / バーチャルリアリティ |
Research Abstract |
本課題の基盤となる要素技術に関する設計,開発,評価を目的として,以下の3つの項目に関して研究開発を行った。 1. 五感情報の個性化のための基盤技術の設計と開発:利用者が自身の嗜好や感性に応じて評点をつけながら,多様な映像データに対して適する音,触感,香り等を選択・付与することが可能な,仮想環境描出の個性化手法を設計・開発した。特に,進化計算等の知的システム最適化法に基づいて,多様な五感データから映像内容に応じて最適な解を相乗的に探索・発見する手法を考案し,その試作システムを開発した。 2. 個性化データ探索向け操作法とその共有化のための高信頼プロトコルの開発:1で開発した手法に対して,システムが再生・提示する音や振動触感,対象映像の特徴を表す感性語等の情報に基づいて,五感データの探索・決定が可能なインタフェースを設計・開発した。特に,専門的な知識や技能がない利用者を想定して,様々なメディア素材を直観的に評価・選択しながら,映像と五感データとを容易に融合化できるソフトウエアを試作した。さらに,試作したソフトウエアを異なる実験環境下で稼働させて,多様な五感データを高速・高信頼に共有するためのプロトコルとそのデータ伝送システムを考案・実装した。 3. 試作システムの評価とまとめ:視覚情報のみに大きく依存するGUI型の情報機器操作法や医用画像診断への応用を想定して,上記1および2の要素技術を基盤に評価システムを開発した。これらのシステムを用いて,開発した要素技術の機能および性能について評価実験を行った。また,本研究課題の目的と開発した要素技術,および実験システムの構成・評価結果をまとめ,CISIS国際会議(2013年7月),日韓合同ICTワークショップ(2013年9月),BWCCA国際会議(2013年11月)や国内学会にて発表し,専門分野の研究者からの意見聴取を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は本課題の初年度であり,研究の基盤となる要素技術に焦点をあてて各種手法の考案と設計を行い,それらを検証・評価するための試作システムの開発と実験を実施した。「研究実績の概要」の項目1および2で述べたように,当初の計画に掲げていた技術項目について基礎的な設計と実装を終え,単体レベルでの評価実験をとおして,開発した手法の有効性を確認することができた。これらの成果については,9編の査読付き学術論文,および8編の査読なしシンポジウム論文および講演として発表を行った。要素技術の研究開発については,ほぼ当初の計画どおりに進めることができており,成果発表に関しては,当初の目標を大きく上回る実績を上げることができた。これは,2名の課題分担者と常に綿密に打ち合わせを行いながら研究活動を行った結果であり,今後の2年間においても,初年度の活動の継続と,さらなる活性化を常に念頭に置き,目標遂行に向けて鋭意努力する所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,平成24年度に研究開発を行った要素技術を統合化することで,五感コミュニケーションを用いた応用システムを開発し,機能性および利便性の観点から実証的に評価・検証・改良を行う予定である。特に,当初の計画に掲げていた情報機器操作や医用画像診断の分野に着目し,実際のソフトウエア開発現場や診療環境で利用することを想定したシステムを設計・開発することで,技術の新規性とともに実用性についても検証する。このために,各分野の専門家による評価とそれに基づく改良・拡張を行いながら,技術の完成度を高めていく。また,平成24年度に実施した国際会議やシンポジウムでの成果発表において,関連分野の研究者から多くの有益な意見聴取を行うことができた。特に,本課題で研究を行っている「五感情報の個性化とそれを用いた探索技術」については,多様な応用分野への適合可能性や学際的な研究アプローチについて多くの示唆を得ており,他分野の研究者や連携可能な外部機関とも協力しながら,新しい応用分野の開拓と展開を積極的に行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画では,本課題の遂行に必要となる全ての設備を平成24年度に導入する予定であったが,想定する機器の価格性能比や予算規模を勘案して,要素技術の開発と聴覚・嗅覚に関連する情報提示機構の研究に関する物品費について執行を行った。触覚関連の研究に必要な設備については,最適な機器を検討の上,平成25年度中に導入を行い,本課題で執行する物品費の執行を完了する予定である。また,ソフトウエア開発や実験に関係するデータ整理に対して平成24年度に計画した人件費・謝金予算は,平成25,26年度に実施を予定している統合化試験および応用システムの実証実験での執行に充てる予定である。研究調査や成果発表のための旅費およびそれに関連する諸経費については,当初の計画に基づいて執行してきており,継続して計画的に実施を行う予定である。
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[Journal Article] A Touch Screen Interface Design with Tactile Feedback for Practical Applications2013
Author(s)
Hiroaki Nishino, Ryotaro Goto, Yuki Fukakusa, Tsuneo Kagawa, Jiaqing Lin, Kazuyuki Yoshida, Kouichi Utsumiya, Junji Hirooka, Eiji Aoki, Toshihiko Osada, Nobuhiro Nagatomo
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Journal Title
Int. J. Space-Based and Situated Computing
Volume: Vol.3, No.1
Pages: 8-21
DOI
Peer Reviewed
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