2012 Fiscal Year Research-status Report
共有ブロックを用いた実物体共有型遠隔地作業支援システムの拡張
Project/Area Number |
24500150
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
佐藤 究 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (70282035)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 直人 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (30305312)
布川 博士 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (00208274)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | グループウェア / 協調作業支援 / 共有ブロック |
Research Abstract |
実空間での実物体を用いた組み立て,デザイン作業等を遠隔地から支援するシステムとして様々な研究がなされている.例えば,(a) 音声画像通信や指示デバイス,あるいはARを用いて作業の指示を行うシステム,(b) 遠隔地の作業空間内に自己の化身となるロボットデバイスを通して作業対象に対する作業者間の相互行為を実現するシステム,(c) VR,AR(あるいはMR)を用いた作業空間,作業対象物を共有するシステムがある. 以上のシステムにおいては,いずれも作業「空間」の共有に主眼が置かれており,そこで操作する作業空間に作業対象となる実物体(以下,作業対象物と呼ぶ)は,仮想的にしか共有されていない.これは,作業対象物として自由な形状を持つ既存の実物体を利用できる反面,作業者の作業対象物に対する物理的な操作に制約を与えている.そこで我々は,「作業対象物」の共有に主眼を置くことにより,作業対象物にある種の制約を与える代わりに,作業者全員が自由に作業対象物への物理的な操作を可能とするシステム,すなわち,遠隔地に,形状とその変化が同期する実物体が同時に存在するを実現することを目標とした.しかし,自由形状かつ変化が自動的に同期するような物体は実際的ではないため,様々な作業物体を見立てることが可能なブロックを用い,複雑な作業物体の形状とその変化を作業者間で容易かつリアルタイムに(作業ではなく作業内の一手順として)同期させることを支援することにより,これを解決することとした. 具体的には,作業対象物を構築可能な部品を双方に配置し,その部品に部品自ら利用者の組み立てを感知し,遠隔地の部品を通じて直感的にユーザに組み立て方を提示する自立性を持たせることにより,作業対象物および形状の変化の対称性を実現し,対称的な作業空間の実現の支援を行う.本稿では,共有ブロックのプロトタイプシステムの設計,実装を行う.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は,拡張共有ブロックの設計を完成させることを目的とし,計画通り以下を行った. 最初に,予備研究で作成された概念プロトタイプを利用し,共有ブロックに要求される機能を詳細化するために,(a)タスク分析を行う.これは,現実世界で行われる実物体の組み立て等を伴うタスク(作業内容,手順等)を収集し,その中で,共有ブロックがどのように利用可能であるか,どのような機能が不足しているかを洗い出すための作業である. 次に,タスク分析の結果を元に,研究代表者・研究分担者が要求仕様を作成する.さらに,各要素を統合する際に検討すべき技術的な問題を明らかにし,その解決策について協議する.ついで,要求仕様に基づき,拡張共有ブロックの(b)ハードウェア設計と(c)ソフトウェア設計を行う. (b)拡張共有ブロックのハードウェア設計では,共有ブロックの外殻および,内蔵されるロジックボードの設計を行う. (c) 拡張共有ブロックのソフトウェア設計では,共有ブロックに内蔵されるロジックボード用の組み込みソフトウェアの設計を行う.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の内容で研究を進めていく予定である, 平成25年度:拡張共有ブロックの実装,および,拡張共有ブロック管理システムの設計を行う. 平成26年度:拡張共有ブロック管理システムの実装,拡張共有ブロックの量産,評価実験を行う. また,研究が当初計画どおりに進まない時には担当者だけでなく全員で解決策を協議することする.専門技術に関する知識や調査が必要な場合は.関連する学会等に積極的に参加し情報収集に努める.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|