2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500151
|
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
中井 満 富山県立大学, 工学部, 講師 (60283149)
|
Keywords | 手書き文字 / 空中筆記 / 文字認識 / パターン認識 / ユーザインタフェース / 筆記者認証 |
Research Abstract |
本課題は、日常的な動作の中から指や手を振って空中に文字を書く動作を検出し、その空間に書かれた見えない文字をコンピュータで認識する研究である。具体的には、モーションセンサ(加速度・角速度センサ)を常に携帯し、センサの時系列信号から筆記動作と非筆記動作の識別を行い、筆記動作の場合には文字種の識別を行う。また、同信号から文字を書いている人が誰であるかを識別したり、さらには登録した本人であるか否かを認証したりする。 平成24年度までの研究では、屋外の実環境下で利用するための空中手書き入力インタフェースの試作とノイズ(筆記以外の加速信号)の除去の研究を行った。また、加速度信号のパワーの変化量を基準として人の動作を検出し、その動作のフーリエ記述子特徴量から文字を書く動作か否かを識別する手法を検討した。平成25年度は主に文字認識精度の改善を目標とし、筆記動作として識別した信号から文字を認識した。 まず、筆記動作の角速度信号より筆記具の姿勢を推定し、観測した加速度信号を重力加速度と遠心加速度と筆記加速度に分離した。これらと角速度信号を合わせて認識の特徴量とした。識別器には隠れマルコフモデルを用いた。空中のどの向きにでも筆記具をどのように持っても認識できる技術、類似文字の識別におけるペン先方向の加速度特徴の利用法、筆記具の角速度情報による加速度信号の補正法を開発した。これを評価するために約40人から空中手書きサンプル(ひらがな71字種を10文字ずつ)を収集した。また、空中手書き信号に含まれる個人性について分析を行い、筆記者識別と筆記者認証の可能性について検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は交付申請書に計画した通りに実施できた。空中での腕の動作解析のためにモーションキャプチャ装置を購入する予定であったが、安価なウェブカメラ(Kinect)で手や腕を追跡するシステムを構築できたので、予定よりも支出を大きく抑えることができた。また、前年度の計画で遅れていたデータ収集を今年度に実施することができたので、おおむね順調であると自己評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度はデータ収集を継続しつつ、実環境下の空中手書き文字認識精度の向上と、筆記者識別・認証精度の向上を目的とし、新たに次の課題を行う。 平成25年度までの研究では主にWiiリモコンに内蔵されたセンサを用いて空中に文字を書いた。ゲーム用のコントローラなので、大きく振って書くことができるが、多くの文字を入力すると疲れる。そこで、平成26年度はスマートフォンや試作した筆記具を用いて、できるだけ小さく書いた文字を認識する。従来研究と比べて筆記の信号が小さくなるので、実環境のノイズや重力加速度の影響が大きいことが予想される。これに対処する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度までは手や腕の動作解析が主であったので、安価なウェブカメラで代用した。このため、物品費として計上していた予算のほとんどを次年度へ繰り越した。 平成26年度はより広範囲の動作を解析するため、カメラの増設、もしくはモーションキャプチャ装置の購入する。また、データの収集と整備のための謝金、研究成果を発表するための旅費や論文投稿料として使用する。
|
Research Products
(11 results)