2014 Fiscal Year Annual Research Report
2次元GUI操作時のハンドジェスチャの操作特性に関する研究
Project/Area Number |
24500152
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
辛島 光彦 東海大学, 情報通信学部, 教授 (90264936)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ハンドジェスチャ― |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は昨年度に実施できなかった健常大学生のジェスチャによるドラッグアンドドロップ操作について実験を行い,その操作特性について検討した.その結果,昨年度の高齢者の操作特性同様,ドラッグアンドドロップ操作においても,操作時間と難易度の関係は,Fittsの法則に適合するものの,その適合度は相対的に低く,操作時間に対して,移動距離と比してターゲットサイズが与える影響が小さいというポインティング操作と同様の傾向が示唆された. さらにこの操作特性のメカニズムを明らかにするために,ジェスチャとマウスによるポインティング操作におけるカーソルの移動軌跡及び速度波形の比較を行う実験を追加した.その結果,ジェスチャはマウスと比較し,カーソルのピーク移動速度が小さく,操作時間に対する位置決めに要する時間及び位置決めのための軌跡が短いことが示唆され,このことがジェスチャにおいては操作時間へのターゲットサイズの影響が小さい理由として示唆された. また脳性麻痺者を対象として,ポインティング操作及びドラッグアンドドロップ操作に焦点を当て,ジェスチャによる操作の特性を,操作パフォーマンス,動作方法,操作感の観点から実験を通じて検討した.その結果,ジェスチャによる操作における脳性麻痺者の操作特性として,操作時間と難易度の関係は健常大学生,高齢者と比してFittsの法則に相対的に高く適合し,操作時間は有意に長いことが示唆された.また脳性麻痺者においては,麻痺のタイプによりジェスチャによる操作の困難度が著しく異なり,脳性麻痺者のジェスチャによる2次元GUI操作については,その操作方法が彼らにとって必ずしも有効なものであるとは言えず,むしろ麻痺のタイプや強さによっては困難であることが示唆された. 本研究の一連の知見は今後のジェスチャによる操作に適したGUI設計のための重要な知見となると考えられる.
|