2013 Fiscal Year Research-status Report
画面の動的な連携機構を利用した人の直接の関わりを促すソーシャルメディアの試み
Project/Area Number |
24500154
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
太田 高志 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (30386768)
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Keywords | ユーザーインターフェース / マルチデバイス / コミュニケーション / ソーシャルメディア / マルチディスプレイ / インタラクション |
Research Abstract |
H25年度は、本研究で使用するインターフェースPinchをインタラクティブなコンテンツを作成するという当初の用途から進めて、複数の人が画像などのファイルを交換するための仕組みを拡張し、プロトタイプとなるアプリケーションを作成した。作成したプロトタイプは、画像や動画のビューアーから画像を選択し、複数のデバイス間で直接ファイルをドラッグ&ドロップして交換できる仕組みである。メール送付やSNSを介することなく、その場で直接画像を選択して共有、交換できるアプリであることから、本テーマで掲げた直接人が会ってコミュニケーションをとることを促す一つの例となるものである。これに関しては、海外の研究者とも議論を行い、本インターフェース利用のポテンシャルについては大きくサポートする意見が得られた。 また、企業へ技術貸与して作成した雑誌のピンナップと連携をしたアプリは、友人が集まることによって徐々に全体を見ることができ、一定人数となったらボーナスとしての映像を取得できるものが開発され、広告関連の受賞を得るなどの評価を得た。 さらに、H24年度に本研究の展示や発表を行ったものへの外部からの問い合わせを念頭において、本インターフェースを利用したマルチディスプレイによるデジタルサイネージのプラットフォームを形成するシステムへの拡張を進めている。こちらは、格子状ではなく任意の位置に画面を配置して自由な形状のスクリーンを形成し、映像を流すことができるものである。デジタル・サイネージやデジタルコンテンツ表示のプラットフォームとしての可能性を探っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アプリケーション例として、コミュニケーションの促進に関連したものを用意できたことにより計画を順調にこなせている。企業と協力して、広告に関連して仲間を呼びこむようなアプリケーション例も作成され、複数の実装例ができた。また、個人間のコミュニケーションというカテゴリーからは外れるが、新たな表現プラットフォーム基盤作成への発展も行っており、本技術のより広い適用性について展開ができている。 本年度の計画に従いAndroidへの移植も行い、複数のアプリケーションの実装も実現した。ただ、Androidはバージョンによる違いが大きいようで、その適用性が不安定なところもあり、当面の研究のプラットフォームとしてはiOSに絞って進めたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
作成したアプリケーションを展示会等で展示し、フィードバックを得ることを計画している。また、ここまでの成果を複数の国際学会や論文として発表するなど、本研究期間の活動のまとめを行う。 ソフトウェアの開発としては、サイネージへの適用のシステムを中心に行い、さらには次の研究課題への取り組みとして、複数デバイスの連携の多様なインタラクションの実現へ向けた展開を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発機として、Android機を購入しなかったことと、次年度に海外での展示会や論文提出の予定を立てており、そちらで使用したいと考えたため。 展示会への参加や、国際学会の参加費、ソフトウェア開発の外注費用に使用する予定である。また、アプリのプラットフォームとして、iOSのモバイルデバイスをいくつか購入したいと考えている。
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